初恋 -R.F-

４． ページ4

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you









曲名なんか存在しない









自分が思ったように








感じたように








ひたすら時間を忘れて弾く








この瞬間が








自分が生きている意味を表してるみたいで







本当に楽しい








どれくらい弾いたのだろう







外は少し暗くなっていた









(パチパチパチパチ…)





後ろから乾いた拍手の音が聞こえ





驚いて後ろを振り返る









「…めっちゃ上手いやん」


「……藤井…くん？」








音楽室のドアに寄りかかり






拍手をしていたのは






同じクラスで学校一の人気者






藤井流星くんやった









「なんで…いつから聞いてたん？」


「んー、割と前？」


「……」


「姫島がこんなにピアノ上手いなんて知らんかったわ

今度の合唱祭でピアノ弾けば？」


「……言わへんで」


「ん？」


「…誰にも…言わへんで…」


「え？」






私は音楽室を勢いよく飛び出した






なんで？





なんで藤井くんが





見られてはいけない






大事なものを見られた感じやった






恥ずかしくて





どうすればいいか分からへんくて





私は全速力でその空間から逃げ出した









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