３０． ページ30
.
you
((ｺﾝｺﾝ
病室の外のネームプレートにはしっかり『藤井流星』の文字
「これじゃあホンマに入院してる見たいやん…」
って険悪な顔をした神ちゃんが呟く
病室に入るとそこにいるのはやっぱり流星くん
信じたくなかったし
なんでここにいるのかも分からへんかった
「2人とも、今日はありがとう」
「…うん」
「ずっと言おうと思ってたんやけど…言えへんくて……」
流星くんから聞かされた話は
まるで夢のようで
どこかのフィクション作品のような話やった
「俺な…昔っから心臓が悪いねん
やから、小学校も中学校もろくに行ったことなくて
高校になってやっと普通に学校行けるようになって友達もできて…
ホンマに…ホンマに楽しかった」
そう言ってふって笑うの
「姫島、神ちゃん。俺と出会ってくれてホンマにありがとう…
でも、今日で最後。もうお別れ」
「は？」
神ちゃんが私の隣で明らかにイライラしてるのが伝わってくる
私はただひたすら溢れ出る涙を拭うだけ
「流星は素直で抜けてるけど、優しくて周りが見えてて…俺の親友だと思ってたで…」
「…神ちゃん…ごめん」
「隠し事できるなんて知らんかったわ
しかもこんなに重大な
体育サボってたりたまに学校サボってたりしてたんもホンマは病気のせいなんやろ？
気づいてやれなくてホンマにごめん」
神ちゃんが泣いているのに今更気づいた
私、本当に周りが見えてない
「なんで神ちゃん泣くん？」
「ホンマに…ホンマにごめん
でも、もう流星と会えへんなんて絶対嫌やから
毎日来るからな」
流星くんは「おう」と笑った
「私も…来ていい？」
「…当たり前や。ピアノまた聞きたいし」
流星くんが「お別れ」そう思っても無い言葉を口に出したのは
多分、彼が優しいから
私たちに迷惑かけたくない
その一心で何も言わずに学校までやめた
でも、私は流星くんに頼って欲しい
今まで沢山頼ってきたから
今度は私が流星くんを助ける番なんや
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
raf.(プロフ) - 菜の花さん» これからの展開どんどん切なくなって行くと思います(笑)ですが、切ない中でも温かさなどを感じられる作品を作って行ければいいなと思っているのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年8月13日 1時) (
レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
raf.(プロフ) - yuuriさん» コメントありがとうございます。多少てこづってますが頑張ります。これからもよろしくお願いします！ (2019年8月13日 1時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - ちょっと切なく感じます(笑)続きが気になります！更新頑張ってくださいね!! (2019年7月29日 11時) (レス) id: 7fe6ef1444 (このIDを非表示/違反報告)
yuuri(プロフ) - とてもいい作品ですね！こういうタイプめっちゃ好みです！応援してます！頑張ってください。 (2019年7月28日 23時) (レス) id: 071915ef58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：raf.
| 作成日時：2019年7月22日 20時
