初恋 -R.F-

１４． ページ14

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you









ふぅ…と息を吐いてピアノを弾く





今日は彼がいない









いつもより長く




少し長く




いや、かなり長く





ピアノを引き続ける









もう忘れようと思って





ただ夢中で




ピアノを引き続ける








ピアノを弾き終えて




ピアノを閉じると




後ろから拍手の音が聞こえる








「あっ……」


「どしたん？(笑) 今日はなんか荒ぶってるけど(笑)」


「いや……」







あなたのせいです




なんて言えるはずもなく




ただただ俯く








「ごめんなちょっと先生に捕まって」


「…全然……大丈夫です」








「なぁ、」



そう言って藤井くんが近づいてくる







「そろそろさぁ…」



肩をがしって掴まれて彼の顔がすごい近くに







「連絡先交換してよ！

あんな小学生みたいな手紙いつかバレるで？」


「…う、うん……」


「え！？よっしゃぁ……！俺毎日連絡するでホンマに」


「…うん……」






顔が赤くなるのがわかって




鼓動が早くなって




身体中が熱くなる









「ふふ、顔赤なってるで？」


そうやって私のほっぺをつねってニコって笑うの









その日、初めて一緒に帰った




藤井くんからの質問攻めに答えながら




いつも孤独で長い帰り道があっという間に感じたのは初めてのことやった









こういう風に




孤独から




出れるのかな








本当に藤井くんが私のことを




孤独の闇から抜けさせてくれるかも




…なんてね









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