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９回の裏
これで勝負が決まる
シゲを真ん中にエンジンを組んだ選手達
シゲは「絶対勝つ！！！！！」そう叫んで打席に向かっていった
『１番 ピッチャー 重岡くん』
球場に彼の名前がコールされる
審判にお辞儀をして打席に入るシゲ
打ってくれ…打って繋げてくれ……
そう、心の底から願っていた
でも
神「あっ！」
球場が一気に静まり返る
球場にいる全ての人の視線はシゲを見ていた
視線の先には胸を抑えうずくまるシゲの姿
審判はすぐ担架を要請し神ちゃんがすぐさま駆け寄っていく
私はルール上ベンチから出ることが出来ないからベンチから見守ることしか出来ない
担架で運ばれるシゲに球場から大きな拍手が送られる
『◯◯高校 重岡くんの処置のため暫くお待ちください』
そうウグイス嬢の方からのコールがあり
試合は一時中断
裏に運ばれたシゲを追って私も裏へ向かった
神「シゲ？！どこに当たった？」
重「…胸……」
今まで見たことのないような険しい顔をして眉間にシワを寄せ左胸を強く抑えるシゲ
監督「交代…だな」
重「…ﾊｧﾊｧｯ……」
そういう監督の声は震えていた
シゲがチームにとってどれだけの大きい存在かが分かった気がした
「病院へ搬送した方が良さそうですね」
救護係の人がそう言い携帯を取り出す
その手をシゲが止めた
重「俺…大丈夫…ですよ……ﾊｧ」
ここにいる全ての人がシゲの心臓の手術をしたことを知っている
だからこそ
誰もシゲを病院へ搬送するという考えに異論を唱えなかった
神「…シゲ？」
重「…神ちゃ…俺、大丈夫やから……な？」
神「ごめん。俺にはそうは見えへん…」
重「…ﾊｧﾊｧｯ……」
神「シゲが無理するところはここやない
シゲが無理するのは甲子園やで。な？
この試合は俺に任せとけ。絶対勝つから
やから、今は自分のことだけ考えればええんや」
重「…おおきに……」
そう言ってシゲはえくぼを見せて笑った
監督「…A、シゲに着いて行ってくれ」
貴方「…は、はい！」
そう言うと監督と神ちゃんはベンチへ戻っていった
その背中はとても逞しくなんだか負ける気はしなかった
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美奈(プロフ) - 涙が止まりません しげの心臓の病気で亡くなった時はとても泣きました (2018年10月14日 23時) (
レス) id: a9a9a6f40c (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - たまちゃんさん» コメント本当に嬉しいです。こんな短編集で泣いて頂けるなんて感無量です。こちらこそ本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2018年8月3日 23時) (レス) id: b442d333ac (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - とっても感動しました。特にシゲの小児がんのお話、涙が止まりませんでした。私も強く生きようと思えました。ありがとうございました。 (2018年8月3日 2時) (レス) id: faa7b83006 (このIDを非表示/違反報告)
Nakonosuke(プロフ) - 碧さん» 自分でも似ている部分があると思ったところは非公開にしました。いえ、こちらこそ温かい対応ありがとうございました！これからも作品を心待ちにして読ませていただきます！はい！頑張りましょう！！ (2018年8月2日 23時) (レス) id: 8ee443cb09 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - ☆NON☆AYAKA☆さん» 長文のコメント本当にありがとうございます。しげの話は私も書きながら胸が締め付けられる気分でした…。これからもまだ続くので移行後も読んでくだされば光栄です。 (2018年8月2日 23時) (レス) id: b442d333ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：raf.
| 作成日時：2018年7月25日 21時
