90 ページ15
.
和也side
二学期初日の朝も
俺はAと家を出た。
同じ制服を電車の中でも見たけど
特に何も言われない。
まさ兄のせいで俺まで学校中のアイドルになってしまったのは
この高校に入ってからの一番の誤算だった。
朝歩いているだけで
キャーキャー言われる人生なんて誰が想像してました？
そんな生活を送っていたときから4ヶ月。
俺が転校生のAと付き合っている話は
学校全体に広まり、
今ではキャーキャー言われることもほとんどなくなった。
｢じゃーね。
初日なんだから寝ないで授業受けなよ？｣
和｢うるさーい。｣
俺たちはいつものように昇降口でわかれた。
自分の教室に向かって歩きだそうとした時、
誰かがAに話しかけたのが見えた。
斗｢Aおはよー！｣
……んだよ。斗真か。
恋愛経験がないAは
男子の行動ひとつひとつに過剰に反応する。
父親のこともあるし、たまに心配になる。
だからなのか、無意識にAに関わる男子には警戒するようになってしまった。
まぁでも斗真なら特に心配することもない。
俺は2人に背を向け歩き出した。
.
今日はAの部活は休み。
朝別れた昇降口で待っていると携帯が震えた。
｢ごめん、急に委員会の招集かかった。｣
…帰ろ。
斗｢あれ？カズ！！！｣
和｢ん、斗真じゃん。｣
斗｢なんかすっげー久しぶり。｣
和｢まぁ夏休み会わなかったからね。｣
斗｢あのさ、本当にAと兄弟なの？
てか同い年ってことは双子？｣
あぁ、なんかバスケ部にバレたとか言ってたな。
まさ兄は兄弟で通るけど
俺は双子ってことになっちゃうのか。
めんどくさいなもう……
和｢双子じゃない。いろいろあんだよ。｣
斗｢じゃあさ、付き合ってるってのも嘘だろ？｣
和｢まぁね。｣
斗｢なんでそんなことしてんの？｣
和｢Aに悪い男が寄らないように。｣
斗｢シスコンかよ笑｣
和｢そんなんじゃない。｣
斗｢まぁよかったよ。
これで俺も普通にチャンスあるってことだろ？｣
和｢斗真、まさかお前Aのこと……｣
斗｢好きだよ。｣
心がギュッと締めつけられたのは
ｰｰｰｰｰｰなぜ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1729人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめか(プロフ) - 更新はもうされないのでしょうか？？主様のペースでゆっくり更新していただけると私も嬉しいです〜！ずっと待ってます！ (2021年6月7日 15時) (
レス) id: f69a6ec9fb (このIDを非表示/違反報告)
なのはなさいた(プロフ) - もう更新することないでしょうか？？？更新たのしみにしてます！！！ (2021年4月1日 11時) (レス) id: 9a9c48371e (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 一気に読ませていただきました！ステキな兄妹ですね！ドキドキしました！更新楽しみにしています！ (2020年9月23日 20時) (レス) id: a71a0c3a62 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぐぐ | 作成日時：2019年9月9日 15時
