あなたが私を知っているのなら[のんびり更新] (ページ9)

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おーちゃんは新しい花火を
両手にもってはしゃいでいる。

その姿は子どもみたいで
ずっと見てられる気がした。

あんなにたくさんあった花火は
あっという間に無くなり、
残すは線香花火だけになった。

..

｢あの…
大野さんはどうしてあの二人と
花火することになったんですか？｣

智｢真奈がキミに会って欲しい
って言うから。｣

｢え？｣

智｢相性良さそうなんだって。｣

｢はぁ…｣

智｢ま、そーなるよね笑
でも俺キミのこと気に入った。｣

大野さんは無邪気な笑顔を
私に見せた。

智｢これ、ふたりでやろーよ｣

..

オレンジ色に輝く
綺麗な玉がふたつ並んだ。

静寂の中でのパチパチという音が
心地良さを与える。

｢おーちゃんにはさ、
大切な人っていないの？｣

『いるよ。』

私の目をしっかりと捉えてそう答えた。

｢その人のところには行かないの？｣

『行けない。
行ったら離れられなくなっちゃうから。』

｢離れなきゃいいのに。｣

『ほんとだよね。
ずっと一緒にいれたらいいのに。』

どうしておーちゃんは私といるんだろう。

おーちゃんも大切な人と
私を重ねてるのかな。