あなたが私を知っているのなら[のんびり更新] (ページ6)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:14,865 hit

6 ページ6

.

仕事に向かう足取りは
いつもより軽かった。

きっとそれはおーちゃんから来た
LINEのせい。

『今日の夜も一緒にご飯食べない？』

こんなにドキドキするのはいつぶりだろう。

｢何食べる？｣

『Aちゃんの手料理』

最近は全く料理なんてしていない。

でも、好きだった。

あのころは。

私はすぐに
了解
の返事をして、電車を降りた。

.

待ち合わせ場所は
昨日の公園。

私が走ってきた時には
もうおーちゃんはいた。

『お疲れ様。』

｢ごめん、待った？｣

『ぜーんぜん』

.

『持つよ』

私たちは食材を買って
さっちゃん以外入れたことのない
私のマンションに向かった。

今日はおーちゃんリクエストのカレー。

好みまでさっちゃんそっくり。

2つの袋を持つと
細い腕の血管が浮き出た。

｢ここ。私の家。｣

『おじゃまします。』

｢あ、その袋ここ置いて。｣

そう声をかけたのに
おーちゃんは一点を見つめて
びくともしなかった。

｢どうしたの？｣

おーちゃんが見つめていた先には
私とさっちゃんが笑っている写真があった。