あなたが私を知っているのなら[のんびり更新] (ページ5)

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公園には誰もいない。

私とおーちゃんだけ。

この静寂の中
先に口を開いたのはおーちゃんだった。

『Aちゃんと最初に話した時、
すっごい暗かった。
でも、話してるうちに
いつの間にか笑ってくれるようになったよ。

きっと、僕とさっちゃんを重ねてる間は
ありのままのAちゃんで
いられるんだと思う。』

この世にいないという点以外では
おーちゃんはさっちゃんだった。

ねえさっちゃん。
少しだけ、離れてもいいかな。

この人のところに行ってもいいかな。

きっとさっちゃんはAが望むことならいいよ
って言ってくれるよね。

｢おーちゃん。｣

私はおーちゃんの腰に手を回した。

身長はそこまで変わらないし
私より細いのに
筋肉があって、固くて
男の人の体をしていた。

『僕があの人の代わりになってあげる。』

おーちゃんはそう言って
私のことをぎゅっと抱きしめた。

さっちゃんとは違う洗剤の匂いがした。

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｢ふぅ…｣

目覚めたのはソファの上だった。

昨日あったことが嘘じゃないか心配になり、
スマホを開く。

LINEの新しい友だちの欄に増えた名前。

それを見てほっと息を吐いた。

もしさっちゃんが生きてたら
私はどんな生活を送っていたのかな。

旅行、映画、スポーツ、ゲーム
やりたいことがたくさんあった。

その全てを2人でやっていたのかな。