あなたが私を知っているのなら[のんびり更新] (ページ25)

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おーちゃんと交代して
私もシャワーを浴びた。

無心で髪の毛や身体を洗い、
浴室から出た。

私の推測をおーちゃんに話そうか。

そんなことを考えながら
タオルで身体の水気を拭き取り、

洗濯してあった部屋着に腕を通した。

｢おーちゃーん。なんか飲む？｣

リビングへと歩きながら
そう声をかけた。

しかし、おーちゃんの返答はなかった。

寝てんのかな？

たけど、ソファの前で横たわっている
おーちゃんを見た時
そうではないとすぐに分かった。

｢おーちゃん？ねぇ、おーちゃん！？｣

何度身体を揺すってみても
全く返答がない。

全身の力が抜けているようで、
身体を起こそうとしてみても
重くて動かなかった。

｢救急車だよね……｣

私はテーブルに置いた
ケータイに手を伸ばし、
｢119｣
と打ってから耳にあてた。

ねぇ、どうして？

やっと私の前に現れたと思ったら
また消えちゃうの？

.

おーちゃんは病院に運ばれて
すぐに集中治療室に入った。

『『あの、この方と親しい方ですか？』』

｢え…はい。｣

『『名前とか住所とか、
親御さんの連絡先とか、
わかる範囲でいいので教えてください。』』

｢あ、すみません…
そういうことは全然知らなくて…｣

『『え？どういうことですか？』』

｢すみません…｣

『『わかりました。大丈夫です。』』

怪訝な顔をしながら看護師さんは
治療室へ入っていった。

それからたくさんの人が
出入りしていたけど
みんな深刻そうな顔をしていた。

きっと大丈夫。

私はただ、おーちゃんが
助かることだけをひたすらに祈った。