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私は自分的ナンバーワンの
夕日の写真をおーちゃんに見せた。
さっちゃんとの初デートの日に行った
江ノ島が写った写真。
今日と同じような
海に沈んでいく
赤く燃える太陽を撮った。
『おーすげぇ。江ノ島？』
｢うん。行ったことあるの？｣
『あるよ。俺も、大好きな人と。』
｢そっか。
………やっぱデートスポットだもんね！｣
辺りはもう暗くなっていた。
たくさんの写真を見て、
たくさんのさっちゃんとの思い出を辿った。
だけどおーちゃんと会う前よりも
戻りたい、と思う気持ちは薄れていた。
今が楽しいと感じる気持ちの方が
強くなっているのかもしれない。
｢今日も家くる？｣
『今日は自分の家帰る。』
｢おーちゃんの家ってどこにあるの？｣
『どこでしょーか。』
｢なんでいつも教えてくれないの。｣
『いいじゃん。』
｢私の家ばっか来るじゃん。
おーちゃんの家行かせてくれないなら、
もう来ちゃダメって言うよ。｣
ほら、そうやってまたムスって顔。
さっちゃんと同じ。
全部、全部さっちゃんとおんなじ。
そう思ったら、私の心の中で
なにかが動いた。
ずっと押し込めていた、なにかが。
｢ねぇ、さっちゃん？｣
『ん？………え？』
｢おーちゃんはさっちゃんでしょ？｣
『何言ってんのよ。違うよ。
俺はさっちゃんじゃない。』
｢じゃあなんで？
なんでなんにも教えてくれないの！？｣
『Aちゃん。』
｢おーちゃんは私の事たくさん知ってるのに、
私はおーちゃんのことなんにも知らない。
名前だって、歳だって、
私と出会う前のことだって知らない！
それに……｣
『それに？』
｢時々おーちゃんはさっちゃんしか
知らないはずのこと言う。｣
『Aちゃん。
俺はさっちゃんじゃないよ？
だけど、
さっちゃんのことはよく知ってる。』
私の体を熱くしたものが
スーっと引いてくのが分かった。
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作者名：ぐぐ | 作成日時：2019年3月12日 11時
