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言葉にできない
その夕日の綺麗さが私の胸を熱くした。
『綺麗でしょ？』
｢おーちゃんはなんでこの場所を知ってたの？｣
『この釣り場を調べた時に隠れ観光地として出てきたの。
これはAちゃんに見せなきゃって思って。』
｢そっか……ありがとう。｣
しばらく、お互いが
言葉を交わさない時間が続いた。
ただ波が打つ音だけが
私たちの耳に静かに響いていた。
私は夕日が好きだった。
夕日が見えると
写真を撮って保存していた。
ビルの隙間から見えた
ほんのちょっとの夕日でも
心に染みたものは全て。
この夕日も撮ろうと思って
私は携帯を取り出し、
カメラを起動させた。
パシャ。
撮れた写真を確認していると
隣からおーちゃんが
画面を覗き込んできた。
｢上手でしょ。｣
『うん。たくさん撮ってるの？』
｢見る？｣
おーちゃんが頷いたのを見てから
私はフォルダを遡った。
『これ、さっちゃん？』
まだ消せないさっちゃんとの写真。
でも、さっちゃんは写真を撮られるのが
そんなに好きじゃないから
2人で撮った写真は数少ない。
｢そうだよ。やっぱり…似てるよね。｣
『そう？』
｢髪型変えて、
ちょっと太ったらさっちゃんだよ。｣
『もしかしてさっちゃんだったりして。』
｢ｰｰｰｰｰｰｰえ？｣
おーちゃんの目がいつもと違って見えて、
ドキリとした。
だけどすぐにまた柔らかい表情で笑った。
『ふふふ。なーんてね。
夕日、見せてよ。』
ねぇ、今のは本当に冗談？
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作者名：ぐぐ | 作成日時：2019年3月12日 11時
