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空は雲ひとつない快晴だった。
｢釣り日和だねー。｣
『日焼け止めぬった？』
｢塗ったよ！日焼けやだもん。｣
『どこ行くにも持ってくもんね笑』
｢いいのー！｣
私たちは船に乗り込んだ。
おーちゃんはなぜか操縦席に向かう。
そして何やら操作をはじめた。
｢え！？運転するの！？｣
『うん。あ、僕船舶免許持ってるの。』
｢釣りははじめてなのに？｣
『あーうん。
釣りはずっと前からしたくて
免許だけとろうかなって。』
｢形から入るタイプなんだね。笑｣
『そうそう。
じゃあ、しゅっぱああつ！』
｢え！動く！？｣
2人だけの船は
太陽が反射して
キラキラしている水面を
揺らしながらゆっくりと走り始めた。
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｢ねぇ！釣れたよ！｣
『おぉ！すげぇ！
僕も負けてらんないな。』
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お互い何匹か釣ったあと、
しばらく何もかからなくなった。
何も気にならない沈黙。
時々吹く涼しい風が心地いい。
『ねぇAちゃん。』
｢ん？｣
『まださっちゃんのこと、
忘れられない？』
｢んー…
きっと忘れることは
ないと思う。｣
『そっか…』
｢でも…前より心は軽くなった。
軽くなっちゃいけないのに。｣
『なんで？なんでだめなの。』
｢そりゃそうだよ。
さっちゃんを置いて
私だけ幸せに、
なんてなっちゃいけないよ。｣
『そんなことないんじゃない？
きっとさっちゃんもAちゃんが
幸せになること望んでるよ。』
｢口ではそう言うかもね。
でもね、
私がお酒買ってきて
だなんて言わなきゃ…
さっちゃんは
交通事故になんて遭わなかった。｣
…そう、あの日。
私はスーパーに行くにも関わらず
さっちゃんにお酒を頼んだ。
ただ、重いから。
そんなくだらない理由で。
私がさっちゃんを殺したも
同然なんじゃないの。
だから、
私は幸せになんてなっちゃいけない。
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作者名：ぐぐ | 作成日時：2019年3月12日 11時
