偶然からはじまる恋〜羽生結弦 (ページ6)

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出会い5 ページ6

羽生サイド

さき「…え？」

彼女が怪訝そうな声を出し、振り返るのを感じとる。
やばい、やばい、この状況で笑うなんて変人だと思われる。
慌てて彼女に弁解する。

(羽生)「いや、ごめんなさい。
今思いっきりため息つくかと思ったら途中で止まるから、なんかちょっと面白くなってしまって…。
こんな状況でいきなりすみません…。苦笑」

さき「あ、いえ…！
バレてましたね、恥ずかしい。笑
せっかくのいい休日が〜と思ってつい…。笑」

(羽生)「お互いついてないですね。
いや、このビルの人たちみんなそうか…。笑
とりあえず予備電源付くまで待ちましょう。」

管理会社の人の話ではエレベーターが動くまでは30分かかるが、電気の復旧自体は5分程度とのことだ。

とは言え真っ暗闇で突っ立っているのも手持ち無沙汰で、静かに床に腰を下ろす。
新しい施設のエレベーターだし、そんなに汚れてもいないだろう。

程なくして布の擦れる音がして、彼女も腰を下ろしたことを悟る。

………。
腰を下ろしたはいいものの、真っ暗闇の密室に初対面の女性と2人、という異常なシチュエーションに落ち着くことはない。
無言でいると余計にこの闇を感じる。

これって何か話した方がいいのかな、、。
やっぱ不安そうだし、少しでも安心できるように世間話でもするか？