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凹む私2 ページ48

(羽生)「もしもし、さきちゃん?」

ちょっとテンション高めな結弦くん。
さきちゃんから電話かけてきてくれるの初めてだね、なんていつも通り優しい結弦くんの声に、堪えていた涙が溢れた。


さき「…っふ、うぅ…ぐすっ」

(羽生)「え、どうしたの? …泣いてる?」

さき「…結弦くん…ぐすっ。」

一度涙が溢れると、どんどん涙が溢れてきて止まらなくなった。


(羽生)「え、ちょっと、何があったの? どっか痛いの? 大丈夫?」

早口で矢継ぎ早に話す結弦くん。
自分から電話かけたくせに、こんないきなり泣いて申し訳ない。

でも涙は全然止まらない。

(羽生)「今どこ? 誰かになんかされたりした?」

泣いてばかりで訳がわからないだろう結弦くんが、少しトゲのある声で問う。

さき「…だいっじょうぶ、いま家…。
今日仕事で…ミスして…。」

(羽生)「家に1人? なんか怪我とか体調悪いとかじゃない?」

さき「うんっ…体は大丈夫…。」

そっか、とりあえずよかった。って結弦くんが言うけど、全然よくない状況なんだよ…。


(羽生)「…いいよ、聞いてるからゆっくり話して?」

優しくて穏やかな口調でそう言ってくれると、なんだか少し落ち着いてきて。

ぽつりぽつりと今日の出来事を話した。
うんうん、って適度に入れられる相槌も優しかった。


(羽生)「…ん、そっか。それは大変だったね。」

本当におつかれさまって言ってくれるけど…。
自分が悪いし、そんな労ってもらえる資格は私にはないんだ。

(羽生)「あのさ、俺は普通の会社勤めをしたことがないから、さきちゃんの立場もことの重大さもちゃんとは分かってあげられない。」

(羽生)「でもね、それがどんなことであれ、ミスをしたっていう事実だけ言えばそれは悪いことじゃないと思うよ。」

だって俺たちはロボットじゃなくて人間なんだもんね。ってちょっと笑って。
そんな冗談にも全く反応できないでいると、続けて結弦くんが言う。

(羽生)「ミスは誰でもあるし悪いことじゃないと思う。
俺は本当に大事なのはその後の対応だと思ってる。」

しっかり謝罪できるか、原因を突き止めて反省できるか、次にどう活かせるか。

もはや偉い人の説法のように結弦くんの言葉はストンと胸に入ってきた。

(羽生)「もうさきちゃんは十分反省してると思うよ。
明日始末書書いたら、それでスッキリお終いにしよう。」

さき「…うん、ありがとう。」

ようやく涙が治まった。

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ベルギーチョコ(プロフ) - オリフラ立ってますよ〜 (2022年3月19日 13時) (レス) id: 1be44ced24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にのあい | 作成日時:2022年3月16日 20時

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