偶然からはじまる恋〜羽生結弦 (ページ38)

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初めての電話ページ38

結弦くんに返信した後、気になるお店がたくさんあり過ぎてしばらくグルメ番組を集中して見ていた。
今度もも子誘ってグルメ巡りしなきゃ！

真剣に見てたらあっという間に番組が終わって、時刻は20:00。
自然と意識がスマホに移る。
そういえば結弦くん、メッセージ見てくれたかな？

和食って答え大丈夫だったかな、なんて不安になりつつも送ったメッセージが既読になってないかトーク画面を確認する。

するとすでにわたしのメッセージには既読が付いていて。
驚きと嬉しさが混じるけど、この画面を開いたままでいるのはまずい。

閉じようとした時、結弦くんからメッセージが送られてきてしまった。
…やばい、やってしまった！！

自分のミスを理解した途端、思わず天を仰ぐ。
これじゃ結弦くんからの返信を今か今かと待ち望んでいたみたいじゃない。
あながち間違えではないけど、ストーカーっぽい女だと思われたらどうしよう。

この事態をどう弁解しようかと、頭を巡らせていると。

また手の中のスマホが震えて、連絡がきたことを私に知らせる。
いや、まってこの振動はメッセージじゃない。

慌てて画面を確認すると、結弦くんから電話がかかってきている。

え、え、え！
電話？なんで？

すぐに既読したのがキモかった？
やっぱりご飯やめようとか？
連絡先消してとか？

暗い気持ちでいっぱいになりながらも、電話に出るため画面をスワイプする。

さき「…もしもし。」

(羽生)「もしもし、さきちゃん？
…なんか電話だとちょっと声違って聞こえる。笑」

ふふっと結弦くんが優しく笑う。
結弦くんの声こそ、さっきと違う。
電話だとより優しくて…なんだか甘い響き。

さき「…あの、ごめんなさい！」

(羽生)「え、なに…？！いきなり？」

さき「だって私、メッセージ送られてきた瞬間既読つけちゃったから…キモかったかなって、思って…。」

その文句言うための電話ですよね…って消えそうな気持ちにならながら何とか声を振り絞る。

(羽生)「え、！？
なんでそんな発想になっちゃうのさ！笑
いや、俺はそれが嬉しくてかけたんだけど！」

今なら連絡とれるのかなって思ったから…ついかけちゃった。
ってちょっと照れたような声色で。

キモがられてなかったってホッとするより先に出た感情は、
何それかわいい…しかない。

やっぱりわたしちょっとキモいかもかもしれない。