偶然からはじまる恋〜羽生結弦 (ページ35)

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初めてのLINE 2 ページ35

シャワーを出て髪を乾かした後、部屋に戻るとベッドに投げてたスマホが震えたのに気がついた。

手に取り差出人を確認すると…結弦くんだっ！

ドクンと心臓が音を立てる。

すぐに既読するのもどうかと思い、画面を開くのを我慢して冷蔵庫へ向かう。
冷たいお水をひと口飲み、一旦心を静める。

ついでに特に見たい番組はなかったけど、とりあえずテレビをつけたりなんかして。
…でもやっぱり気になる、もう見ちゃえ！

まだ送られてから2分と経ってないけど、結弦くんからのメッセージに既読をつける。

その内容を理解した途端、さっきの少し冷たいシャワーで身体は冷えてたはずなのに、急に体温が上がっていくのを感じた。

え、これって…デートの誘い？だよね？

え、え、いいのかな！
うれしくて何度もメッセージを読み返す。

好きな食べ物か…。

早速返信する前に、まずはネットを開く。
「羽生結弦好きな食べ物」検索。

男の人からご飯に誘われたら、さりげなく相手の好みに合わせて好きな食べ物を答えるのは女の常識だ。

普段なら共通の友達とかに聞いたりするけど、結弦くんはネットで調べられる。
改めて有名人って思ってしまうけど、他に共通の知り合いもいないし、ここは良しとしておく。

「プリン。いちご。寿司。卵かけご飯。鍋料理。焼肉。湯豆腐。」

何これ、こんな合わせにくいことある？！
お寿司と焼肉は合わせられるかと思ったら、好きな理由が自分の好きな量だけ食べられるからって…。
変わった人だな。

なんて答えよう。
好きな理由は違うけど、わたしも焼肉は好きだし、一般的にも好きな人が多いから答えやすい。

けど初デートで焼肉って匂いとか気になるし…。

そう迷ってるとテレビからおいしい〜！って声が聞こえた。
目をやると画面にはキラキラした海鮮丼。

わぁ美味しそう！
最近都内にオープンしたらしいお店。
鮮度の良さそうなお刺身やお寿司、焼き魚や煮付けまでメニューにあるらしい。

一気に和食の口になって、今日のご飯は奮発して海鮮でもUberしちゃおうかな、なんて考える。

そうだ、ネットには書いてないけど結弦くんも和なものが好きって言ってたし、和食って答えようかな！
ネットの情報より自分で調べた情報を信じなさいっていうし。

『さきです。
こちらこそ楽しかったです、ありがとうございました！
ぜひ行きましょう〜！
ご飯は何でも好きですけど、今はテレビでやってたので和食が食べたい気分です。笑』

よし、送信。