偶然からはじまる恋〜羽生結弦 (ページ17)

今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:27,141 hit

ジェラート6 ページ17

さき「わぁ〜おいしそう…！」

規則正しくショーケースに並んだ色とりどりの鮮やかなジェラートたちは、ライトに照らされてキラキラして見える。

メニューの写真とは比べ物にならないな、羽生選手もここで選んでほしかった…。
一瞬ちょっと残念なような寂しいような気持ちになるけど、店員さんの声で我にかえる。

(店員さん)「ご注文お決まりでしたらお伺いします。」

さき「あ、はい！えっと…ストロベリーと、抹茶をお願いします。」

そうだ、一緒に飲み物も注文しようかな。
先に羽生選手に何が好きか聞いておいたらよかった。

レジ横のドリンクメニューを見ようとして、不意に目の端に入る黄色っぽいジェラート。

さき「……？あ！あとこのみたらし味もお願いします！」

羽生選手が興味津々で見ていたみたらし味。
わたしも気になるし、どうせなら買ってみよう。

飲み物は好みがわからないから２つとも緑茶を注文した。
和なもの好きって言ってたし。
身体が冷えすぎても良くないから、少しぬるめの温度でお願いした。

さき「まさか羽生選手とジェラート食べるなんて…。」

羽生選手にもらった一葉さんで会計を済ませ、ジェラートを待つ間にふと思う。
人生ってほんとに何が起きるかわからないんだな…。

店内は女性が多いけど、若いカップルもたくさん席についている。
そういえばテレビでもこの施設がデートにおすすめだって言ってたっけ。

しばらく彼氏のいない私にとっては必要のない情報で、スルーしてたけど。

羽生選手は彼女と一緒には来なかったんだな…。
彼女はどんな人なんだろう？
スケートをやる人なのかな、それとも羽生選手に負けないくらいキラキラした芸能人だったり？

また少しチクリと胸が痛みはじめた頃、店員さんにジェラートを渡される。

(店員さん)「大変お待たせいたしました。ごゆっくりどうぞ〜！」

ありがとうございます。とお礼を言いつつ注文したそれを受け取る。

余計なこと考えちゃった。
これを食べたらさっさと帰ろう。
こんなデートみたいなことして、きっとどこかで羽生選手を待っているであろう彼女にも申し訳ない。