偶然からはじまる恋〜羽生結弦 (ページ15)

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ジェラート4 ページ15

さき「っえ、あ…。そうですよね。」

やけに力強く放たれた最後の言葉。
ばっちり視線があっていたせいで、変に意識してしまって顔の熱が上がる。

…けど。
そっか、恋愛してるんだ。
ってことは彼女いるんだ…。

これだけの実績があって、容姿端麗。
頭もいいらしいし、この数十分一緒にいるだけでも所々にひしひしと感じる芯の通った誠実さ。

周りの女の子が放っておくわけないよね。
羽生選手の言動に何度もドキドキしてしまったわたしは、身の程知らずにも程があるな。

こんな所を誰かに気づかれたら、それこそ二股疑惑でとんでもないことだ。
…相手が私でおこがましいけど。

早めにジェラートを食べて、帰らなくちゃ。
なぜかさっきからチクリと痛む胸に蓋をして、羽生選手に声をかける。

さき「…わかりました。でもやっぱり注文は私が行ってきますから、羽生選手何がいいですか？」

(羽生)「うーーん。たしかに今バレたらさきさんに迷惑かけちゃうもんね…。
じゃあごめんだけどお願いします！」

やっぱ直接選びたかったなぁ〜なんて呟きながらメニューを眺めている。

(羽生)「ねえ、さきさんは何味が好きなの？」

さき「え、えっと…チョコとか抹茶とか好きです。」

(羽生)「あ〜確かに！抹茶もいいね。
俺すごいさ、和なもの好きなんだよね。」

え〜みたらし味ってこれおいしいの？笑
なんてコロコロ表情を変えながら楽しそうにメニューを見る姿は、さながらランチを選ぶ女子社員のようだ。

(羽生)「…ふふ。うん、決めた！
やっぱストロベリーでお願いします。」

ペコリと律儀に頭を下げてお願いされる。
うん、チョイスもやっぱり女子社員だ。