偶然からはじまる恋〜羽生結弦 (ページ14)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:27,135 hit

ジェラート3 ページ14

(店員)「いらっしゃいませ〜2名様ですか？」

(羽生)「はい、2人です。」

当たり前のように羽生選手が店員さんに伝える。
わたしが答えようと思ったのに…！
席へ向かう時も、出来るだけ店員さんにバレないように羽生選手を後ろに追いやろうとするけど、サラッと身を翻してかわされる。

(羽生)「(小声)そんなに気にしなくて大丈夫だって。」

耳元でそっと囁かれて、思わず耳を押さえる。

そんな私の反応を見て、またブハッと笑いつつ案内された奥の席へ歩いて行ってしまう。

なんなの、もう。
これ私からかわれてる…？なんて少しの不信感を持ちつつ、後に続く。

さき「…あ、こんな席あるんだ。」

案内されたのは1番奥の半個室になった席。
予約していたお客さんがキャンセルとなったため、ちょうど空きが出たそう。

案内してくれた店員さんの様子をそっと伺っても、特に羽生選手に気づいて案内してくれたわけでもなさそうだ。

ホッとして席に着く。
再び2人きりになった空間は、もう初めのような気まずさなんてなくて
むしろ不思議と居心地の良さまで感じる。

(羽生)「さきさん、すごい心配性だね。笑
俺のこと隠そうとしてくれるのはありがたいんだけど…あれは逆に怪しいよ笑」

さき「〜！すみません。笑
だって羽生選手が普通に店員さんと話すから…！」

(羽生)「いやいや、女性の影に隠れて店に来る男なんておかしいでしょ笑
それに俺だって普通に会話くらいするよ笑」

てかさせてよ、そのくらい〜。笑
なんて呑気にヘラヘラ笑ってるけど、それでバレたらどうするの？

さき「もう、、羽生選手はもう少し危機感持った方がいいですよ！
よく今までバレてきませんでしたね…？」

(羽生)「あ〜。…言われてみればたしかに店員さんにはよくバレちゃうなぁ。」

またヘラッと笑って言ってるけど、それは大丈夫なのだろうか。

(羽生)「…別にさ、何も悪いことしてないのに、コソコソしたくないんだよね。」

ヘラヘラしてた顔が一瞬スッと真面目な顔になる。

(羽生)「確かにたくさんの方々に応援してもらって今の俺がいるのは紛れもない事実だけど。
でも俺は芸能人じゃないし、ただのスポーツ選手なんだよ。
だから他の人と同じように、普通に店員さんとも話したいんだよね。」

それに…恋愛だって自由にする。
最後の言葉はしっかりと私の目を捉えて言った。