偶然からはじまる恋〜羽生結弦 (ページ13)

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ジェラート2 ページ13

羽生サイド

ちょっと突っ込みすぎたかな〜
面食らったのか目をまん丸にしてしばし固まるさきさん。

日常ではあり得ない体験をして、テンションがいつもと違うせいもあるけど、さきさんに伝えたのは本心だった。

明確に理由はないけど、ただ何となくもう少し話してみたいと思った。
見た目が好みなのもあるが、年齢の割に落ち着いた喋り方をする彼女の話をもっと聞いてみたい。

落ち着いてると思いきや、考えてることがすぐ顔に出るところをもっと見てみたい。

これって立派な理由じゃないの？

さき「…わかりました。でも、その…こんなわたしでも一応女なんですけど、週刊誌とか？そういうのは大丈夫なんですか？」

意を決したような顔をした彼女がOKの返事をくれるが、すぐに戸惑ったような顔をしてそう問われる。

(羽生)「一応って…苦笑。
ありがとう。笑
うん、こういうのはね、意外と堂々としてるのが1番バレないんだよ。笑」

葉を隠すなら森の中と言うじゃない。
コソコソした男女の方がよっぽど人の目を引くものだしね。

さきさんとまだ一緒に入れるとなって、マスクの中で顔が緩むのを感じる。
今俺絶対キモい顔してるな…。

早速ジェラート屋さんへ向かうべく、イーストサイドへ2人並んで歩き始める。

(羽生)「あー！もしかしてこの停電でアイス全部溶けてるとか…ないよね？」

さき「え〜それたしかにあり得ますね！笑
こんなに暑いとすぐ溶けちゃう…。」

なんて2人で心配しながらイーストサイドの扉を通ると。

さき「わぁ…！」
(羽生)「す、涼しい〜！」

どうやらこちらのイーストサイドは停電を免れたようだ。
エレベーターに乗り込む前の快適な室温に、懐かしさすら覚える。

生き返るね。なんて2人で笑いながら、あっという間に目的のジェラート屋さんに到着。