お兄ちゃんと私 (ページ45)

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弱音3ーあなた×智ページ45

智『Aちゃん、よく聞いてね？おいら達はAちゃんを嫌ったことある？にのはAちゃんの身体をみて気持ち悪いっていったことある？』

『ないけど．．．』

智『Aちゃんが仲良くしてる子はAちゃんの身体見ても変わらずに仲良くしてくれてるんでしょ？普通に接してくれてるでしょ？』

『うん．．．』

智『頑張った人を悪く言う人が居たらおいらんとこにおいで？Aちゃんは誰より強いんだって証明してあげる。おいらはAちゃんのこと大好きだよ？にのも嫌いだなんて思ってないよ』

『本当に．．．？』

智『にの毎日Aちゃんのこと心配してる。やっぱり兄妹だね、よく似てる』

『智くん、おにぃと仲直り．．．できるかな？』

智『絶対できるよ、今は少し難しいかもしれないけど必ず仲直りできる。Aちゃんはにののこと好きでしょ？』

『うん、好き．．．大好き』

智『にのも同じ気持ちだよ。ゆっくりいこう？』

『うん．．．』

気づいたらたくさん泣いて
智くんに胸のうちを吐き出してた
本当は私はおにぃに不満があったんじゃなくて
自分に不満があって．．．だけどそれを一人じゃどうにもできなくて
認めたくなくて、認めるのが怖くて
怒りの矛先をおにぃに向けてたのかもしれない
私がおにぃに花瓶を投げつけた日
自分に苛立ってたんだと思う
看護師さんが友達が持ってきてくれたって渡してくれてた私の着替え
全部おにぃがしてくれてたことなのちゃんと知ってたよ
袋におにぃの香りが残ってて．．．
看護師さんから渡されるとき香ってたんだ
微かだけどすぐにわかった
おにぃ、いつ来るの？
会いたい．．．ごめんねって謝りたい

病室に戻る頃にはお昼ご飯の時間で
私の部屋にもちょうどお昼が運ばれてきた

いま私が一番嫌いな時間
ご飯を食べること

なにも食べたくない
食べる気にもならないし食べたいとも思わない
匂いを嗅ぐだけで吐きそうになる

看護師『あ、Aちゃんお帰り。お昼持ってきたよ？あ、こんにちは』

『いい．．．要らない、食べたくない』

看護師『少しは食べないと．．．栄養剤だけじゃ元気にならないよ？』

智『こんにちは。あ、おいしそう(笑)』

『栄養剤もいらない。点滴してまで栄養取りたくない』

看護師『食べるか栄養剤か、どっちかだよ？両方なしはダメ』