お兄ちゃんと私 (ページ43)

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弱音ーあなた×智ページ43

智side

今日はおいら久々の休み
だから朝は苦手だけど頑張って起きた
なんでかって？それはAちゃんに会いに行くため

今日はにの朝から仕事で帰りも遅いらしいから
おいらが代わりに．．．ね？
でもにのには内緒もちろんAちゃんにもね？
久々にみんなの役に立ちたくなったんだよね
おいらこれでもあの二人が大好きだから
きっとお互い今は苦しい時だと思うから
少しでも楽になってくれればいいなって
二宮兄妹ほどお似合いな兄妹はこの世に居ないんじゃないかな？
本当によく似てるんだよ？
あの二人
好きなものも嫌いなものも似てる

ナースステーションで病室聞いたら617号室だって教えてくれた
にのの誕生日だね周りにバレたくない訳じゃないけど
変装したら逆にバレる気がして堂々と歩くおいら
そのおかげか誰も寄ってこない
アイドルとしてはダメなんだろうけど
大野智、一般人のおいらとしてはいいことだね

Aちゃんの病室についてそっとドアを開ける
中には窓際であめりかふじきの木を静かに見てるAちゃんの姿があった

智『おはよう、Aちゃん』

『えっ？智くん．．．』

智『今日おいら仕事休みで、なんだかAちゃんに会いたくなって来ちゃった』
おいらがふにゃって笑えばAちゃんも穏やかな笑顔をおいらに向けてくる
おいらその笑顔が好きなんだ
にのに似てるその笑顔、笑うと八の字眉になってえくぼができる
おいらはそのAちゃんの笑顔に何度も助けられたから

智『元気だった？』

『うん．．．でも気持ちはよくない』

智『そっか。』

『智くんは怒らないの．．．？』

智『ん？』

『おにぃに花瓶投げたこと知ってるでしょ？』

智『Aちゃんにのになんか悪いことしたの？』

『花瓶投げたよ．．．』

智『にのはなんも言ってなかったよ？』

『．．．』

怪我したのもAちゃんが投げたのも知ってる
でも気持ちが不安定な状態で起こったことは
Aちゃんの意志で動いたことじゃないって分かってるから
おいらは何も言わないし知らん顔するよ
だってAちゃんが一番分かってるはずだから
一番傷ついてるはずだから

智『あめりかふじき、綺麗だね。Aちゃん、おいらとお散歩でも行かない？』

『お散歩．．．？』

智『こんなに晴れてるしきっと気持ちいいんだろうな．．．おいらに付き合ってよ』

『うん、いいよ』