お兄ちゃんと私 (ページ35)

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入院2ーあなた×和也ページ35

まみちゃんに電話したらすげー怒られた
当たり前かAがどれだけ悩んでたか知ってるんですか？お兄さんならもっとしっかりしてください！
芸能人の前にお兄さんでしょ？妹のこと考えて！って
ごもっともだ
今回のことは全部俺が悪い

すぐにまみちゃんは家に来てくれて準備をしてくれた
やっぱり女の子だな
丁寧に服は畳んで入れてるし洗顔とか歯ブラシとかブラシとか
ちゃんと用途ごとに分けて入れてる
でもさ、ぬいぐるみっている？
メイク道具も要らない気がするんだけど．．．

なんだかんだ言いながら用意して
家を出る頃にはもう日が傾いてて眩しい

まみ『じゃあ、私これからバイトなんでAのことよろしくお願いします』

和也『ありがとう』

まみ『ちゃんと見ててあげてくださいね、Aのこと。あの子結構我慢しちゃうから．．．本当は辛いのに辛いって言えなかったり．．．』

和也『うん、気を付けて』
まみちゃんと別れて病院への道を歩く
まみちゃんは俺の知らないAを知ってる
俺には知らない世界がある
兄妹でも知らないことだってある
女の子には女の子の世界があって
男の俺には想像もできない世界を見てるのかもしれない
Aは俺の知らないことをまみちゃんにはたくさん話してたのかな
女の子同士でたくさんの話をしてたのかな
どんな子がタイプとかどんなファッションが好きとかどんな曲が好きとか
俺が知ってることはまだごく一部なのかもしれない

病室に着くとAは寝てて
起こさないように荷物を置いてぬいぐるみを枕元に置いてやった

毎日見てるはずなのにこうやってまじまじと見ると本当に小さい身体
毎日騒いでるAを見てるせいか
なんだか違う人を見てるように感じる
そうだよな．．．ずっと頑張ってきてたんだもんな
弱音吐いたことなんてなかったよな
どんなに辛い治療でも
どんなに長い検査時間でも嫌いな薬でも逃げたことは一度もなかった
だから俺はAは我慢強い子なんだって思ってた
でも本当は違ったんだ
必死に耐えてた、必死に闘おうとAなりに努力してたんだよ
俺は何も知らずに．．．
怖かったよな一人で不安だったよな．．．

そっと頭を撫でてやってから一旦メンバーに連絡をすることに
きっとみんな心配してるんだろうな
俺相当慌ててたと思うし