お兄ちゃんと私 (ページ18)

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初めて知ったことページ18

病気って残酷だって思う
こんなに嫌がっても検査は待ってくれないのだから

右手を握ってるにののほうを見るとにのは時折、Aちゃんに大丈夫だよとか偉いねって話しかけながら手を握ってやったり頭を撫でたり涙を拭いたりしてる

『いた、い．．．や、だ』

和也『もうすぐ終わるよ、あとちょっとだけね』

『かえる．．．』
もう泣きすぎて体力もなくなってきてるみたいで呼吸も苦しそう
それでも必死に帰りたいって泣いてるAちゃん

和也『きっとソンギュお兄ちゃんも応援してくれてるよ？Aちゃん頑張れーって』

『ん、ソンギュ、おっぱ．．．？』

和也『そう、だってソンギュお兄ちゃんはAのヒーローなんだろ？』

『うん』

和也『ヒーローはいつも困ってる人のそばに居る。だからソンギュお兄ちゃんはきっと韓国から応援してくれてるよ？』

『本当に．．．？』

和也『本当に』

『がんばる．．．』

やっぱり兄ってすごいや
不安な気持ちを汲み取ってAちゃんが好きな芸能人と関連させて落ち着かせてる
俺だったらきっとどうしていいかわからない

一時間半くらいして検査は終了
終わったころにはAちゃんは泣き疲れたのか眠ってしまっていた

和也side

和也『お疲れさま、よく頑張りました』
頭を撫でてやりながらそっと涙のあとを指で拭いてやる
今日は悪いことしたなAにも翔さんにも

翔『にの、なんか俺何もできなくてごめん』

和也『え、なんで翔さんが謝るんですか！謝らなきゃいけないのは俺のほうですよ。』

翔『パニックってどう対応すればいいのかわからなくて上手くサポートできなかった』

和也『気にしないでください。俺もパニックってよく分かりませんから(笑)ただ傍で大丈夫だよって声かけることしか出来ないけどそれでもAにとっては落ち着くことなんです。医者や看護師じゃなくて家族や友達が傍にいるだけで少し気持ちが楽になるんです』

そういいながらにのはAちゃんをおんぶした

翔『あ、にの腰．．．！』

和也『あぁ大丈夫ですよ、A見た目と違って体重軽いんで』

翔『そうなんだ．．．』

和也『普段のAと違くって驚いたでしょ？』

翔『ちょっと(笑)』

和也『この検査の時だけはいつもこうで(笑)』

翔『なんか見てるのが辛かった。抑え込むのも正直気が引けた．．．』