#41 血 ページ43
side MJ
親に話聞いてくる、って相葉くんが飛び出していった。
そろそろ帰ってくるはずなんだけどな。
和「最悪だ……俺が引き出しちゃった…………知らなくて良かったことなのに」
翔「とは言ってもね……多分いつかは知ることになっちゃうんだよね……」
─────相葉くんが帰ってきた。
能面の笑顔を貼り付けたような、そんな顔。
雅「俺やっぱ本当の子じゃなかったわ」
表情はあるけどそこに感情は見えない。
黙るメンバー。
雅「今のお父さんとお母さんは大好きだけど、でも俺本当のお父さんとお母さん知りたいっ………………」
さっきの表情が一気に崩れて涙を零す。
智「うん、一緒に探そう」
優しく彼を包み込む。
雅「ありがとう……」
雅「俺、羽田っていう苗字だったらしい」
和「羽田、か」
「親戚とかあたってみたら？」
雅「そうするね」
生まれたところからある程度絞っていくと羽田さんが珍しいのか案外早く親戚にたどり着いて。
「羽田雅紀って知ってますか？」
電話であたる。
ある人から、こんな話が。
『あーあいつらの子かい？ろくなことなし関わらん方がいいよ』
自分の唇を強く噛んだのがわかった。
「なぜですか？」
『フッ、調べてみたらいいんじゃない。あいつの母親と父親はとっくに生きてないよ。羽田雅紀はまだ生きてんのかいな、どうせろくでもなし、なんで産んだのかね』
「……ふざけるな」
『は？』
「親がどんな人たちかは知らねぇよ、ただその人たちの子供を悪く言うな。彼に罪はない。自分らしく元気に生きてんだよ！」
『あんたもそう言い続けてられるかね、』
「どういう意味だよ？」
『さあ？じゃあ切るよ、』
俺の声にビビってたらしくそばで小さくなる4人。
「あ、ごめん……」
翔「なん、て？」
「相葉くん、俺から言うのもあれなんだけど今電話した親戚の人なのかな？そうとうやばいぞ。会わない方がいい。あの人が言うには、相葉くんの本当のお父さんとお母さん……亡くなってる」
雅「うん……だよね、そんな気はしてたんだ」
さすがに会話の内容は伏せておく。
和「どんな人だったのか知りたい……？」
雅「うん、俺知りたい」
いいかな？って感じでこっちを見るから大きく頷く。
「もしかしたら……傷つくこともあるかもしれない」
そういうと微笑んで
雅「もちろんその覚悟だよ」
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作者名：珠さと | 作成日時：2024年2月13日 18時
