#38 塗りつぶした記憶 ページ40
side NK
嵐のこと以外は思い出せない、って言ったけどそんなことなくて。
小中学生の頃に記憶が蘇ってくる。
今までこんなこと考えたこと無かったのに。
雅「今年で15周年かー。」
翔「いや10ね？(笑)」
潤「10周年とばさないで(笑)バカがばれてるよ」
雅「おかしいなーお父さんもお母さんも頭いいのになぁ」
翔「残念(笑)」
雅「親にに似たかったぁ〜(笑)」
いつもの会話が懐かしいなって思える。
あれ、って思って隣を見ればいつの間にかリーダー。
智「よかった」
「ありがとう、智くん」
久しぶりだな。智くんって呼ぶの。
俺には味方がいる。こんなに。
「あのさ、みんな」
みんなの視線が一気に集まる。
「俺、夢見たんだ」
その内容がいいものじゃないことくらいわかっているというようなみんなの顔。
「昔の。俺がジャニーズ入る前、クラスメイトにある時急に無視されるようになって。それも1部とかじゃなくてみんなに。1番仲良かった子に裏切られたんだ。学校で影響力あるような子だったからだと思う。それから、俺ずっといじめられて……」
気付いたらみんなが俺を抱きしめてて、力が入っているのを感じる。
「それでさ、あるとき転入生が入ってきたんだ。1目見れば俺がいじめられてることくらいわかったと思う。でもその子だけは、俺と仲良くしてくれたんだ。すごく、変わった子だったの。名前も教えてくれなかった。いつも黒い服着てて、サングラスに黒マスクしてる。結構キメてる感じの子なんだけど。だからクロって呼んでた。俺あいつだけは大好きだったんだ……」
翔「よかった……いい人がいて」
「でも……でも、俺のせいでクロまで虐められるようになって、クロは気にしてない、って顔してたけど本当に酷いいじめで、俺のせいで……多分俺を庇うために近付いてくれて」
潤「違う！」
勢いよく被ってくる潤の声。
潤「それは違うよニノ、お前のせいじゃない」
その通りだと言うような3人の顔。
「でも……」
潤「俺……」
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作者名：珠さと | 作成日時：2024年2月13日 18時
