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No side
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?「理事長───」
そう声をあげたのは、今まで一言も発しなかったさとみだ。
さ「Aは、何を……隠しているんですか」
『サトミ』と呼ばれていた、あの少女。
昔からよく見る、記憶に無いはずの懐かしい夢。
自分の中にある『姉』の記憶。
それらが、さとみの頭の中を駆け巡る。
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カ「さとみくんは、どこまで知っているんだ?」
少し驚いた表情を浮かべていた理事長、カイトが、優しい笑みを浮かべて尋ねる。
さ「───わかりません。俺の中にあるのは、朧げな、一部の“記憶”だけで…」
カ「Aから、何か聞いたりした?」
さ「いえ。何も話してくれていません」
そりゃそうか…と考え込むカイト。
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カ「多分、君たちが思っているよりAの傷は深い。おいそれと人に話せるようなものではないだろうね」
残念そうな、悔しそうな顔をするさとみ達を見て、それにね、と付け足すカイト。
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カ「Eクラスだからと初の合同任務でバカにされた相手に、自分の悩みなんて話す気にならないだろうよ」
さ「………っ、」
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さ「連れて行っていただけませんか」
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苦しそうな表情を浮かべたさとみが、カイトに言う。
さ「理事長が今からAのところに行くのなら、俺も連れて行っていただけませんか」
カ「…いいよ、付いてきなさい」
軽く戸惑いの感情を顔に出すが、それを押さえ込んで微笑むカイト。
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カ「君が聞きたいことは、ちゃんと本人の口から聞くべきだ」
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ねころん。(プロフ) - ゆーさん» あらららら……とりあえずティッシュを……!!そしてもう一周読んできてください!(?)ありがとうございます! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ネコ日和。さん» ありがとうございます!自分の作品で泣いていただけるとは……!笑 今の自分の文体に合わせて作品の修正なども行っているので、その過程で番外編も書くかもしれません!その時はぜひよろしくお願いします〜! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ろりぽっぷ。さん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです!!事情により界隈から離れておりますが、またいつか書いた時にはまた読んでくださいね! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いいお話、ヒック、すぎて、グズ、涙が、グズ、出てきて、グズ、止まら、グズ、な、グズ、いんですけど、ヒック、どうしたらい、ヒック、いです、グズ、か? (2022年11月9日 18時) (レス) @page38 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
ネコ日和。 - 初コメです…!今もう涙で視界がぐわんぐわんしてます。主人公の生き様も、亡き親友の言葉も、全部刺さりました。番外編とかめちゃ見たいっす!!仲良くなった6人とか見たいです!!とっても楽しませてもらいました🤗 (2022年8月15日 21時) (レス) @page38 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
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