67. 懺悔 ページ24
No side
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静まる白い病室。
誰も言葉を発しないのは、普段ならいの一番に場を仕切ってくれるななもりが黙りこくっているから。
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な「……、Aちゃん、」
「何でしょう」
ずっと俯いて何かを考えていたななもりが、これまた何かを決意した表情でAに呼びかける。
な「何から話そうか考えてたんだけど。まず、……ごめんなさい」
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ゆっくりと、だが深く下げられた頭に、面食らったような顔をするA。
「...なんで、急に」
突然の謝罪に戸惑いながらもなんとか言葉を返すA。
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ななもりは悔しそうに下唇を噛み、話を続ける。
な「Eクラスだからって、実力がないからって、君をバカにして差別した」
「それは…」
な「…差別ってのは、この世界では能力での当たり前の事だ。
でもその当たり前を、俺たちは、俺たちだけは、してはいけなかった」
な「異形だから差別して、強いから利用する。
そんな奴らに良いように扱われてきた。
“される側”の苦しみを、俺達は知ってる筈なのに」
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ジ「ほんま、ごめん…肩書きで、見た目で、差別される事がどんだけアカンことか分かっとったのに、
俺らはそれを、俺ら自身が苦しんだそれを、Aにやったんや」
耐えられなくなったのか、少し大きめの声で話し、そのまま頭を下げるジェル。
る「……僕もです。強いからと利用され、信じた人に裏切られた。
なーくんは、僕の苦しみを分かってくれた。他のメンバーも同じように苦しんでいた。
だから、僕達は集まった」
莉「なのに俺達が強くなって、No.1パーティーって言われて。
差別されないようになって、忘れてた」
さ「俺達は、救わなきゃいけない。
俺達みたいに理不尽なことで苦しむ人を、守らなきゃならない。
……そう、決めたはずだった、のに」
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それぞれのメンバーから、悔やみの表情と共に謝罪が述べられる。
《自分達と同じ境遇の人を救う》
きっとその信念は、初めは皆同じものだったのだろう。
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ねころん。(プロフ) - ゆーさん» あらららら……とりあえずティッシュを……!!そしてもう一周読んできてください!(?)ありがとうございます! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ネコ日和。さん» ありがとうございます!自分の作品で泣いていただけるとは……!笑 今の自分の文体に合わせて作品の修正なども行っているので、その過程で番外編も書くかもしれません!その時はぜひよろしくお願いします〜! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ろりぽっぷ。さん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです!!事情により界隈から離れておりますが、またいつか書いた時にはまた読んでくださいね! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いいお話、ヒック、すぎて、グズ、涙が、グズ、出てきて、グズ、止まら、グズ、な、グズ、いんですけど、ヒック、どうしたらい、ヒック、いです、グズ、か? (2022年11月9日 18時) (レス) @page38 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
ネコ日和。 - 初コメです…!今もう涙で視界がぐわんぐわんしてます。主人公の生き様も、亡き親友の言葉も、全部刺さりました。番外編とかめちゃ見たいっす!!仲良くなった6人とか見たいです!!とっても楽しませてもらいました🤗 (2022年8月15日 21時) (レス) @page38 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
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