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《彼ら》との出会い ページ5

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「《空間拡張》」


肩慣らしに魔法を使う。ヴン、と小さく能力発動音が響いた。
私の能力の使用に、世間の常識は通用しない。長ったらしい詠唱も必要なければ使用間隔や回数に制限も上限もない。必要とされるのは、内容がしっかり理解出来る程度の短い詠唱。それと私のやる気。なんだかんだ一番大切なのは気分だったりするものだ。




「《防護結界・極》」


一番強い結界を張り、一旦休憩。次は何をしようかと、考えを巡らせる。
久々に全力で能力が使えるのだ。大きいのをぶっぱなしてやりたい。





「《天変地異》」

呟くと同時に、自分以外がぐるんと回る。
範囲指定は特訓部屋のみにしてあるので、他の所には迷惑をかけていないはず。


……多分。





「《炎渦》! 《水龍》! 《風神》!!」



あとは適当に片っ端から能力を使っていく。
この時私は、この部屋の音がどれくらい外に響いているかを確かめている余裕はなかった。……否、久々に思い切り能力を使える楽しさで、周りのことなど一切考えていなかった。
と、突然部屋の扉が乱暴に叩かれる。次いで、焦ったような声。
やってしまった。できれば放っておきたいが、そうすれば無理矢理にでも扉を開けられてしまうかもしれない。


「大丈夫ですか!?」
「開けてください!」
「はいはい……っと。どうされました?」
「……っ、」


観念して扉を開けたそこには《すとぷり》のメンバーたち。
Eクラスの私が特訓部屋から出てきたことに少々……いや、だいぶ驚いているようだ。


「いえ、ここから凄い音がしたので、安全確認の為に……」

たしかこの人がななもりだ。全体的に紫の人が、最初に衝撃から立ち直り口を開く。




「あぁ、すみません……ちょっと練習してて」
「《雪月華》であんな音するかよ」


冷たい瞳でこちらを見つめるのは、さとみ。




「部屋壊すんじゃないよ?」


呆れたように笑いながら言う、ころん。




「アホか。Eクラスの能力でここの特訓部屋が壊れるわけないやろ」
「そうですよ!何かの間違いかも知れません」
「実は音させたのはこの子じゃないかも!だってEクラスじゃん!」


バカにしてくるのは、ジェルとるぅと。
いい人なのだろうか、必死にフォローしようとして逆に叩き落としているのは莉犬。






「いえ、音させたのは私で間違いないかと。今後気をつけますね。では」
「わ!?え!ちょっと!」
「おい、お前!」



面倒くさい。関わりたくない。こういう奴らとは。
騒ぐ彼らに無視を決め込み、さっさとゲートをロックして後片付けに入る。







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《全力で》→←特訓(?)



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キャット(プロフ) - くまくまちゃんさん» あらまぁ僕は神じゃないよ髪だよw (2020年7月21日 17時) (レス) id: b14926060a (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - キャットちゃん神かもしれない← (2020年7月20日 18時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
キャット(プロフ) - くまくまちゃんさん» あら、くまちゃんだー笑 わかりました、頑張ります! (2020年7月19日 13時) (レス) id: b14926060a (このIDを非表示/違反報告)
キャット(プロフ) - ユウラリさん» コメントありがとうございます!わかりましたー!! (2020年7月19日 13時) (レス) id: b14926060a (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - あのっ!面白いですっ!大好きですっ!!!A希望ですっ! (2020年7月19日 10時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねころん。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月11日 14時

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