白銀の彼女は能力者〈stpr〉

15. ナメられてる ページ17

A side







………うん。知ってた。


知ってたけどさ。









さすがに馬鹿にしすぎじゃない？


だってあなたたち、さっき私の気配に気づいてなかったよね？


なのになんでそんなに見下げられるかな。









ちょっと傷つくぞ？……いや、嘘だけど。









.








「それで、作戦なんだけど。…………理事長命令で先陣が俺たちなんだよね」


は？………あんのやろ。やりやがった。








「え、ってことは、」
「雑魚の抹殺が今回の俺たちの仕事だって」
「え？」
「肝心のターゲットはどうするんですか？」
「じゃあ、もしかして」
「……そのもしかしてだろ、そこで苦い顔してる奴がメインだ」




はいそうですよね、私ですよね。






.









『………やりますよ、わかりましたよ』


わかりたくない、やりたくない。だけど、やるしかない。






「失敗しないでよ？」
「僕たちの顔に泥を塗らないでくださいね」


こっちのセリフだわボケ。









「なーくんほんとに大丈夫なの？！」
「いや……うん……」


ななもりは他のメンバーのように、あからさまに私を侮蔑したりはしない。立場上なのか、ただただ優しいだけのかは知らないけど。









「なにかあったら俺たちがサポートに回るという形で。でも基本的には外で待機だって」
「信用できひんな、そんなん。こんなやつに一番重要なトコ任すんすか？」
「そうだよなーくん！僕たちでやった方が手取り早いって！！」
「こ、ころちゃん、ジェル........」
「ここで仲間割れはまずいですって.......」









「…………理事長命令だ。ころん、ジェル。今更何を言ったって遅い」








…………ほう？









『それでは、作戦通りに』


裏で何考えてんのかは知らんけど、今はありがたかったと思っておくよ、さとみ。









.

16. 出撃！→←14. 出発

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す