白銀の彼女は能力者〈stpr〉

26. 橙　出会い ページ28

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ジェルくんは、パーティーの五人目のメンバー。


なぜか初めてあったとき、「莉犬って、良いよな、犬よな、犬」と、訳のわからない言葉をかけられた。


ジェルには暴言も吐くしぞんざいな扱いをするけど、それだけ頼りにしてるってこと。









ま、そんなこと恥ずかしくて言えないけど。







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友達は、多い方やったと思う。


「明るい」「面白い」「一緒にいると楽しい」


俺の周りの人たちはみんな、俺について聞かれるとそう答えた。









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「ジェルくんは騒がしいけど面白い」


俺はずっと、そう言われていた。


嫌ではなかった。面白いと言われるのは、純粋に嬉しかった。


周りの人が笑っていてくれれば、俺も楽しかった。









でも、どこか、寂しかったし、焦っていた。







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俺の存在意義は「面白み」だけなのか。


だったらもっと面白くてかっこいいやつがいたら、俺の居場所なんてどこにもなくなってしまうんじゃないだろうか。


そんな根拠のない不安と共に、俺は毎日笑顔を作っていた。







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でも、そんなある日、


？「無理してる？」


任務でたまたま一緒になった人に声をかけられた。









ごめんね、突然。謝りながらその人は、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。


？「笑ってるのに楽しくなさそう」








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「ジェルはいつも楽しそうでいいなぁ」「悩み事とかなさそうだよね」


いつもと違う言葉だった。その人は、俺の心を見てくれた。








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？「泣きたい時はちゃんと泣かないと。いつか嘘の笑顔ですら浮かべられなくなっちゃうよ」


？「辛いことがあるなら、1人で抱え込むのだけはしちゃダメだと思う。...って、こんなこと言ってる俺もよく抱え込むんだけどね」


人間って、難しいよね。


そう言って、困ったように優しく笑ったんだ。









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……これが、俺の恩人、ななもりさんとの出会いだ。








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