『ただの』？

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(カイside)








「もう遅いし、終わろっか」







ほんとは返したくなくて、口実は勉強でもなんでもいいから、









もうちょっと2人で一緒にいたかったんだけど。









Aは多分授業聞いてないだけで、理解力はあるから俺の説明で大体分かってくれて嬉しかった。









人に教えるのあんまりなれてなくて自分のペースで重点だけ言ったんだけど、








微妙な反応の時もあれば深く頷く時もあるから分かりやすい。









「カイくん教えるの上手い！」









びっくりした、、









キャラじゃないけど胸が、心臓がギュって痛くなって









完全に彼女のペースに飲まれてるのかな、、









なんて思ったら悔しくて、









「今週の日曜空いてる？」









なんて自分でもびっくりするくらいさらっと誘ってしまった。









Aは一瞬びっくりしてたけど、





キョトンとして







「空いてるよ」









って言うから、天性の鈍感さと純粋なその心に









また胸が締め付けられたのが分かった。









「しょうがないから勉強教えてあげる」









こんな自分勝手で半強制な俺の提案にも、笑って









yesの答えをくれるAが愛おしかった。









それに、そのくしゃっと笑った笑顔とほっぺにできるニャンちゅう線に









爆発しそうな思いを必死に押し殺すように下を向くと、






顔が熱くなるのが分かった。









Aは引いてるかな、、急に言ってびっくりしたよな、、









そんなマイナスなことを考えながらAを送った。

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