第７話 ただいま、私の世界 ページ7
5日後の朝、玄関の前に黒い馬車がやってきた。わぉ、無人の馬車だ。
「困ったらすぐに帰ってくる事もできる。大丈夫、怖いものなんて何もないさ、頑張っておいで！」
『はい！精一杯やってきます！』
馬車が動き出す直前、窓から手を振り叫ぶ。
フェロー様に見送られながら、私は久しぶりの元の世界へ向かったのでした。
私しか居ない馬車の中、大きく深呼吸する。バクバクと音をたてる心臓。窓に映る私の首に掛かる小瓶はその存在を主張するかのように輝く。忘れてなんか無い。忘れちゃいけない。
『その契約を果たすまで』
確かめるように、ゆっくりと。そう口にした。
トンネルを潜るとパークの上空にでる。私のいた世界と昼夜が逆になっているみたい。
満月が薄い雲に隠れて淡く光っている。遠くには、ビルがまるで星のように光って見え、きっとこの先見ることのないであろう景色を堪能しておく。この光が私を照らしてくれる星であればいいな。
しばらくすると、馬車はホテル•ハイタワーの目の前に止まる。 ホテルの前には、シルクハットを被った男性と、二つ縛りの髪と赤のメガネをした女性が立っている。
私が馬車から降りると、二人は深々とお辞儀をして、
「ようこそ、Ms.A。お待ちしておりました。私の名前はMr.V。彼女はスキャター。以後、お見知り置きを」
『私はA•フェール。ファウルフェロー様の手下として参りました。よろしくお願いいたします。』
私もハットを取り、挨拶をする。真夜中のパーク、3人の影だけが伸びていく。女性が近づいてきて荷物を持ってくれる。人懐こい笑顔が可愛らしい。
「ようこそ〜！お待ちしておりました！」
二人に連れられて、ホテルの中に入る。そういえばここってアトラクションじゃなかったっけ？どこに泊まるのだろうか。
Mr.Vがステッキを振ると壊れたエレベーターが輝き、真新しいエレベーターが現れる。
「このエレベーターには人間が入れないように細工を施してあるんだ。後で貴方にも鍵を渡そう。」
エレベーターがフロアに止まり、ドアが開く。そこにはとても豪華なフロアが広がっていて、思わず息をのむ。
「素敵でしょ〜！魔法で営業していた当時の状態に戻しているんです。Aさんの部屋はこっちです！荷物を置いたらこの先のラウンジに来てください。ほかのリクルーターを紹介します！」
『わ、分かりました。』
とても楽しそうに喋る彼女の勢いにのけぞってしまう。鍵を受け取り、部屋に入る。
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蛙鳴ソウ - 霰メイサさん» 頑張ってください！ (2021年3月21日 15時) (
レス) id: a61f199f7f (このIDを非表示/違反報告)
霰メイサ(プロフ) - 蛙鳴ソウさん» はじめまして！わー！ありがとうございます！いいですよねジャック君！素敵で美しい手下の皆さんを書けるように頑張ります！ (2021年3月21日 13時) (レス) id: 8b8cafdd4c (このIDを非表示/違反報告)
蛙鳴ソウ - 初めまして！私も最近手下にハマったばかりですw特にジャックくんに！ここで手下の性格を勉強したりしながら面白いなと思っています！私もジャックくんで書いてるけど更新頻度が…← 面白いです、頑張ってください！（長文失礼しました） (2021年3月21日 13時) (レス) id: a61f199f7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霰メイサ | 作成日時：2021年3月11日 17時
