第24話 2人でいれば ページ26
どれだけ歩いても、同じ風景が繰り返されるばかり。一度角を曲がれば、またさっきの場所に立っている。まるで鏡で出来た迷路に閉じ込められたようだった。
「これぞ夢って感じだね！ここさっきも通らなかった？」
「ここを曲がれば絶対にあるはずなのに…！」
「ここは君の夢の中だ、焦ったってしょうがないよ」
「でも…」
足が疲れることがないのも、夢の中だからだろう。なら何故、これほど焦がれている場所にたどり着けないのか。両親に会えないのか。
「ねぇ、君はそんなに必死になって何を求めてるんだい？僕には分からないよ、そのオカアサンってやつもオトウサンってやつも。それって一体なんなの？」
「自分のことを大事にしてくれる人、1番の味方でいてくれる人…みたいな感じ」
「随分と曖昧だね」
「私のお母さんもお父さんも、私を大事にしてくれてるって感じじゃなかったから」
自分で言っていて悲しくなってくる。
「じゃあなんでそんなに会いたいのさ、それはオカアサンとオトウサンじゃないんじゃないの？」
「…ジャックには分からないよ」
「そうだね、僕には分かりっこなさそうだ」
ジャックには両親がいないのだろう、本当の姿がトランプなら当然だ。それに、私の両親は小さい頃の私を沢山可愛がってくれた。きっと、何か訳があって私をこんなに突き放してるんだから。だから、きっと、本当なら私を大切にしてくれる両親なんだ。そうに決まってる。
すると突然、信じられないくらいの突風が私とジャックを襲った。下から上へと私たちを空へと巻き上げるように吹いた風に、私は驚いて目を瞑ってしまった。隣に居たはずのジャックの気配がなくなって、足が地面から離れてしまう。
「ジャック！！どこ！？」
「A！」
気がつくとそこは、沢山の女の子が好きそうなおもちゃが転がった私の部屋だった。そこにいる私は、お母さんと一緒に人形遊びをしている。しかしそこにいるはずなのに遠くから聞こえてくる楽しそうな笑い声は、どんどん小さく聞こえなくなっていった。
次の瞬間、あたりは真っ暗になって上も下も左右もわからい水の中みたいになった。急に手足の先が氷のように冷たくなり、悲しみが波のように押し寄せてくる。
「あの子がいなければ、こんなことにはならなかったのに」
「Aが俺たちを不幸にするんだ…さっさといなくればいい」
やめて、そんなこと言わないで。私の両親はそんなこと言わない！！
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蛙鳴ソウ - 霰メイサさん» 頑張ってください！ (2021年3月21日 15時) (
レス) id: a61f199f7f (このIDを非表示/違反報告)
霰メイサ(プロフ) - 蛙鳴ソウさん» はじめまして！わー！ありがとうございます！いいですよねジャック君！素敵で美しい手下の皆さんを書けるように頑張ります！ (2021年3月21日 13時) (レス) id: 8b8cafdd4c (このIDを非表示/違反報告)
蛙鳴ソウ - 初めまして！私も最近手下にハマったばかりですw特にジャックくんに！ここで手下の性格を勉強したりしながら面白いなと思っています！私もジャックくんで書いてるけど更新頻度が…← 面白いです、頑張ってください！（長文失礼しました） (2021年3月21日 13時) (レス) id: a61f199f7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霰メイサ | 作成日時：2021年3月11日 17時
