第15話 優しいあなた ページ15
そんな優しい事を言ってくれる人はヴィランズじゃないと思うな。なんて言える筈も無く、この人になら少しだけ本当の事を伝えても良いのかもと思ってしまった。
『ごめんなさい。私はおバカさんだから誰にもに関わっちゃダメ、迷惑かけちゃダメって言われてて。今まで、頼った事なんてないから頼り方が分からないの。ジャックたちがお話してくれただけで私には十分だし、自分の感情とか困ったことなんかを話して良いのか怖くなっちゃうの。だからその、いきなり頼るとかは無理だけど、少しづつお喋りとかしても良いですか…？』
こんなことを言ったのは初めてだ。今の私には本音とか頼るとかはまだまだハードルが高いけど、でもこれを機に少しでも自分を変えれたら、って。
「謝らなくていいからね。勿論オッケーさ。君のペースでゆっくり喋れるようになればいいよ。じゃあ…仲直りしてもいい？」
『はい！これから、よろしくお願いします』
差し出された手を恐る恐る握りしめると、ジャックは嬉しそうに微笑んだ。その手は陽だまりのように温かくて、包まれているようだ。彼は私のヒーローなのかな…なんてね。
ジャックside
この子は、なんでも隠そうととする。感情も、自分の意見も、全部。本人は隠せてるつもりかも知れないけど、まだまだだね。大丈夫、大丈夫って何回も繰り返して呟いてて、大丈夫じゃないのなんか丸わかりなのに。
だけど、Aはファウル•フェローの手下。きっと素晴らしい詐欺師になるだろう。自分を完璧に偽れる、誰にも見破られない詐欺師に。
勿論僕はヴィランズの仲間が増えるのは大歓迎さ。だけど、隠し過ぎるあまりにあの子が壊れちゃうんじゃないかって、消えちゃうんじゃないかって不安になる。そんなことになる前に、頼る事を知って欲しい。頼っていいって思って欲しい。ヴィランズだって一人じゃ生きていけないんだから。
多分、誰かがAの心を縛ってる。Aの話を聞いてそう感じた。彼女を否定し、心を傷つけた誰かが。きっと誰にも関わるなって言ったのもそいつなんじゃないかな。それでも、Aは誰かの言葉を守っている。相当大切な人なんだろうけど君はきっと教えてくれないんでしょ？
会って間もない筈なのに、どうしてこんなに君を守りたいんだろう？確かに可愛いけど、それ以上にあの世界の住人とは思えない優しさを持ってる。キラキラした光。それと同時に見えない真っ黒な闇も。
「仲直りしてもいい？」
君のそばに居たいから。
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蛙鳴ソウ - 霰メイサさん» 頑張ってください！ (2021年3月21日 15時) (
レス) id: a61f199f7f (このIDを非表示/違反報告)
霰メイサ(プロフ) - 蛙鳴ソウさん» はじめまして！わー！ありがとうございます！いいですよねジャック君！素敵で美しい手下の皆さんを書けるように頑張ります！ (2021年3月21日 13時) (レス) id: 8b8cafdd4c (このIDを非表示/違反報告)
蛙鳴ソウ - 初めまして！私も最近手下にハマったばかりですw特にジャックくんに！ここで手下の性格を勉強したりしながら面白いなと思っています！私もジャックくんで書いてるけど更新頻度が…← 面白いです、頑張ってください！（長文失礼しました） (2021年3月21日 13時) (レス) id: a61f199f7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霰メイサ | 作成日時：2021年3月11日 17時
