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いじめっ子1「だ、だっているのが普通‥‥」
『普通ってなに』
いじめっ子3「ふ、ふつうはふつうだよ！」
小学生相手に真顔でそんな質問をする高校２年生の西園。
『お母さんがいないその子に、キミ達どんなことしてるかわかってんの？』
いじめっ子3「っ」
『小学生でも、言っていい事と言っちゃいけない事の区別ぐらいわかるでしょ』
鋭い目つきで子供を見下ろしながら言う西園に、子供達は何も言えずに黙り込んだ。
『‥‥‥でも本当は心配してたんじゃないの？』
子供「‥‥‥‥え」
子供達と同じ目線になるようにしゃがんだ西園。
ずっと俯いていた子供達は顔を上げ、西園を見つめる。
『ずっと話しかけて来てくれたのに、キミはずっと黙って答えようとしてあげなかった。』
子供「‥‥‥」
尻もちをついたままの男の子と目を合わせる西園。
男の子の瞳が揺れる。
『言っちゃいけいない事言っちゃったキミら3人も悪いけど、話そうとしないキミも悪い。
お互いそれはわかってるでしょ？』
頷く4人。
『じゃあもう、言う事は一つだけ。』
いじめっ子1「え‥‥？」
『相手を傷つけた時はどうするの？』
西園がそう聞くと、男の子3人は尻もちをついた男の子を立たせて「ごめんなさい」そう言った。
それを言われた男の子は涙を流しながらも「僕もっ、ごめん」と3人に謝ったのだ。
『‥‥‥うん。よくできました。
ほら、もう帰りな。』
子供1「お姉ちゃんありがとう！」
子供2･3･4「「「ありがとう！」」」
西園に大きく手振って去って行く子供達を西園は微笑みながら手を振った。
『‥‥‥‥普通って‥‥なんだよ』
そう呟いた西園の表情はいつも以上に冷たかった。
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作者名：ねむ
| 作成日時：2019年5月12日 14時
