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「明智。これやって」
そう言って明智と呼ばれる男に手の甲に「さすって」と書かれた左手を差しだす、駒井。
明智は駒井に言われるがまま、恐る恐る駒井の左手甲をさする。
駒井「そうそうそう！いい感じいい感じ」
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痴漢男「いいからどけ！！」
痴漢男は立ち上がって鞄を武器に逃げようとした。
だが、その人は軽々と避ける。
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――
駒井「そうそうそう！」
駒井は次に右手の甲に「もっと」と書かれた手を差し出す。
明智「んだよぉ、もおぉー」
駒井「いいねいいね！」
明智はさするスピードを速める。
駒井は手の甲からだんだんと裏返していく。
明智「摩擦で熱いんだけど！」
駒井「おぉぉっ‥‥うわっ！！」
するとパッと手を開いた駒井。
拳の中から手を開いたら飛び散るように細工された紙が沢山スローモーションの様に飛び出て来る。
明智は驚きのあまり、椅子ごと後ろに吹っ飛び、倒れる。
駒井「明智(笑)こんなにビビる？(笑)」
「「うぇーい！！(笑)」」
作戦通りに行ったのか笑って明智をいじる駒井達。
だが、誰も気付いていない。
明智の冷めた表情に。
明智「‥‥お前コラァア゛！！」
突然、ヘラヘラしていた駒井の胸倉を掴み、怒鳴る明智にクラス全員驚きのあまり静まり返る。
全員が明智を見る。
胸倉を掴まれている駒井の表情も強張る。
しばらく静まり返る教室。
明智「‥‥ふっ、冗談だよ〜ん(笑)」
やわらかい表情に戻った明智は掴んでいた駒井の胸倉を離して駒井の頭を撫でる。
江口が「ビビったぁ〜‥‥！」というと一気にクラスのピリついた雰囲気が崩れた。
「仕返し」という明智。
彼は一体‥‥。
―――――――――――
――――――
――
地面に伸びている痴漢男。
「スカート汚れちゃうじゃない」
『ねぇ』
「誰、あんた」
『急いでたんじゃないの？』
「そう！そうよ！！ねぇあんた！豪林館学園高校ってどこ！！」
声を掛けた女子高校生が「あっち」と指をさすとその人物は「そう。ありがとう」と言って走り去っていく。
『‥‥豪林館学園高校‥‥ね』
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作者名：ねむ
| 作成日時：2019年4月24日 20時
