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その日の放課後。
生徒達は里見の話をしていた。
「綺麗だった」とか「すごいいい言葉だった」とか。
若林と東条もその話をしながら昇降口に向かっていた。
若林「のぶおのドレスはちょっとね」
東条「それな。蘭とか『キツ』って言ってたしな(笑)」
若林「うん(笑)」
東条「あ。噂をすれば」
丁度、昇降口で靴を履着替えていた西園。
東条「今日の里見先生すごいいい事言ってたよな〜」
若林「確かに!すごい響いた」
『‥‥』
東条「な、蘭もそう思うだろ?」
すると、西園は光のない瞳で言った。
『“親のために幸せになりたい”とか‥‥死んでも嫌だけどね私は。』
若林「‥‥え?‥‥」
『親が用意した幸せ辿るくらいなら死んだ方がマシ』
東条「‥‥」
見下すように冷たく、棘のある言葉。
西園は微笑みもせず、何も言わず、そのまま去って行く。
若林「西園さん‥‥最近変だよね‥‥」
東条「うん‥‥」
この時、東条は西園が少し辛そうな瞳をしていたことに気付いていた。
東条「まぁ、大丈夫だよ。帰ろぜ」
若林「‥‥うん」
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作者名:ねむ | 作成日時:2019年5月26日 10時