魔法学園ヘタリア〜A riddle of Jones〜

Episode 4 ページ5

「Bonjur.Tu vas bien?」

「Oui,mercy.Et vous?」

「Bien,mercy! でも私達若者同士だし Et toi? がよかったんじゃない？」

「親しき中にも礼儀あり、だろ？」

「こういう時だけ英国紳士っぽいんだから。」

「"こういう時"は余計だ！」

カレーへ着いて早速、アーサーにフランス語で挨拶をしてみたAだったが、電話の話は強がり

ではなかったことを確かめ英語に戻す。この調子ならあまり困ることもないだろう。最近は、ホテ

ルなどの公共施設では通じるようになってきている。だがお年寄りには、割とマジで英語を話そう

としない人もいるらしいのでご注意を。まぁ、あんだけボコスカしてたら当然だわな。

「そうだ、お前あのワイン野郎も来るみたいなこと言ってたけど、どういうことだよ？」

「あぁ、一週間くらい前にお祖父ちゃんの腰がぎっくりいっちゃってね。それで、フランシスさん

に頼んだの。」

「何で折角の休暇にあいつの顔を・・・」

「アントーニョさんに巻き舌で捲し立てられるよりはマシでしょ？」

それもそうだ。アントンはフランシス以上にアーサーが、というよりイギリスが嫌いだ。アルマダ

でフルボッコにされて日が沈むようになったからだろうか？余談だが、この説明分かった人いたら

握手してください！

「あとさぁ・・・・・・」

「何だよ？」

言いにくそうに口ごもるA。両手の指を顔の前で擦り合わせるのは、頼み事があるときの癖で

あることは当然知っている。

「ギルとロディとエリザも行きたいみたいなんだけど、いいかな？」

が、この時アーサーはそんな場合じゃなかった。今気付いたがAは夏なので薄着だ。白いミニ

スカートにレモン色のキャミソール。上には水色の半袖のカーディガンを着用。スラブ系特有の白

い肌と長い脚。

「アーサー？船酔いしたの？」

何より巨大な胸に目線は釘づけである。話は多分聞いてない。彼だって、いくら名門カークランド

家の坊ちゃんとは言え、やっぱり思春期の健全な男子なのだ。

そんなアーサーの頭を無遠慮に叩いた人物がいた。

「いってぇ！！」

「な〜にAちゃんの魅惑的な谷間を目の前にして黙ってんだよ。いっそ、"意外と胸大きいん

だな"って言った方がスッキリするだろ？」

「んな恥ずかしいこと言えっかよこのセクハラ髭野郎め！」

「いやいや黙ってた方が危ないって。そこがまだ餓鬼なんだよな〜、アーティー坊ちゃんはよ。」

やっぱりフランシスだった。

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