Episode 27 ページ31
真っ赤になった高い鼻をさすりながら、今の状況を後から来た組に説明するイライアスを見て
「・・・なぁ、A。」
アーサーは親友に声をかける。彼女なら、自分に遠慮なく素直な気持ちを言ってくれるだろう。
「何、アート?」
「ひょっとして、親父も兄貴達も、俺が生意気な態度とってたから邪険に扱ってただけで、普通に
接したら普通にしてくれんのかな?」
「自分で気付いたのは偉いけど、ちょっと遅かったんじゃない?」
「うっ」
予想外の厳しい言葉に、唸る自分が情けない。
「せめて、15,6の時に気付くべきだったと私は思うよ。」
「ん・・・そうか・・・・・・」
確かに、よく考えればすぐに分かることだ。険悪な態度をとられても親切にしてくれる者なんて、
菊くらいなものなのだ。周りに聞こえないよう、こっそり溜息を吐く。
と、話を聞いていた意外な人物がアーサーの背中を叩いた。
「何しみったれた顔してんだよ。今からでも遅くはねぇだろ。」
「バイルシュミット・・・」
「所謂、反抗期というものだったのでしょう?これを機会に落ち着けば、普通の親子・兄弟になれ
るのではないのですか?」
ロディも、いつものムスッとした顔だが心なしか目が優しい。その隣りでまた何か高速でメモって
るエリザは視界に入れないようにする。
思い出せば、昔はごく普通__とは言えなかったが今よりずっと穏やかな関係だった。スコットと
はやっぱり喧嘩ばかりしていたが、トーマスに絵本を読んで貰ったりヘンリーとサイクリングに行
ったり。
なのに。
「親父と、何か一緒にやったりしたことってあったか・・・?」
うんと小さい頃に何かしたかもしれないが、記憶に残っている限りでは、ない。せいぜい、家族旅
行に行ったくらいだろう。
「それにも、何か意味があるはずよ。」
そうAが言えば、
「そうよ。自分だけ嫌われるようなことした覚えもないんでしょう?」
エリザも言う。
「そうか・・・お袋なら、答えてくれるかな?」
「多分ね。この後訊いて来たら?」
「そうする。」
この頃やけに素直なアーサーに、最初こそ寒気を覚えていたAだが、今は何と無く微笑ましい
気持ちになれた。
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Freiheit@Ernst - お久しぶりです~第三弾楽しみにしてますね! (2014年8月17日 0時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - レリゴー!さん» 最近ヘタリアグッズ少ないですよねー。もちピンズ買いに行こうと思ったらなかったんですよ…。 (2014年8月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
レリゴー! - 大好きだなんて、そんな・・・恐れ入ります、すみません///最近、アニメイト行ってもヘタリアグッズ少なくて悲しい(涙)なので、ここで発散してるのですが、ぶっちゃけ誰得なんだろこれって思ってました(笑)なのでとても嬉しいです! (2014年8月9日 17時) (レス) id: 9c6a128fd2 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - はじめまして!カオリと言います。この作品大好きです!ハリポタもヘタリアってもう私得過ぎます!更新頑張って下さいね! (2014年8月7日 15時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
Freiheit - ギルくんだけでも(○_○)!!て感じなのにイヴァンさんも…だと!?あなたは私の脳をどうする気ですか!?どんどん出してください!!! (2014年7月30日 16時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レリゴー! | 作成日時:2014年6月20日 17時