魔法学園ヘタリア〜A riddle of Jones〜

Episode 26 ページ28

「菊先生だ〜！」

Aが勢いよく菊に抱き付いた。自分と大して身長の変わらない彼女に飛びつかれ、菊は後ろに

転倒してしまう。幸い、腰は打たなかったので大事には至らなかった。

「はいはい、甘えん坊さんですね。あの、腰がそろそろ・・・」

「先生どうしよう！アレックスさんが捕まったの！私達だけで助けられるわけないわ！」

エリザにも言い寄られて立とうにも立てない。おまけにAが抱き付いたままうとうとし始め

た。これ何てギャルゲー？と思いつつ二人の後ろを見やると、アーサーとギルとロディの視線の殺

傷力が半端ないことになっている。

「落ち着いて下さい Ms. ヘーデルヴァーリ。ほら Ms. ヤナーチェクも起きて。」

イライアスにひっぺがされ、椅子にお座りさせられたAはまた船を漕ぐ。さり気なくアーサー

が抱き寄せようとするも、イライアスとギルとエリザにひっぱたかれた。

「ちょっと、お兄さん達のこと無視しないでくれる？」

「ほんま酷いわ〜。親分シエスタ中やったのに。」

「もう少し年寄を労わらんか。」

菊に少し遅れて、悪友コンビとアダルベルトが到着。

「では皆さん。」

全員分の紅茶を淹れ、イライアスも席につく。あれ？こんな感じの描写前にもあった様な・・・。

「知っていることを全てお話し下さい。」

「知っとること？」

「えぇ。例えば、"賢者の石"についてとか、"秘密の部屋"のこととか。」

「やっぱり気づいてたか・・・」

アーサーが呟く。それを無視して、イライアスは菊に狙いを定めて凝視する。菊はいつもの無表情

のままだが、逆に静かな威圧感をひしひしと感じる。アントンやフランシスも睨み返していると。

「止めんか大人気ない。子供の前でみっともないまねをするな若造ども。」

怯えている現役学生's を見兼ねたアダルベルトが叱った。そして、かつての教え子の方を向く。

「大体、お前はいつもすぐ人を睨みおってからに。その癖のせいで一体何度大喧嘩をした？儂が覚

えとるだけでも十回は超えとるぞ。おまけに口は悪いし女をとっかえひっかえしよるし。何人の女

子生徒が儂のところに泣いて相談に来たと思うとるんじゃ？お主がリリー・ポッターと付き合っと

ると知ったポッター夫妻も相談に来たぞ。あと＿＿」

以下、延々とお説教が続くので省略。そして最後に、

「分かったな？」

とイライアスの鼻をつまむ。彼が素直に「はい。」と言ったのでそれ以上のお咎めはなかった。

閑話：トランスフォーマーの元ネタについて→←Episode 25

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