Episode 22 ページ24
その後も、アルだけは寝付けずとうとうヘンリーも寝てしまった。
「・・・瞼は重いのにな〜。」
「目を瞑って横になるだけでも、疲れはとれるよ。」
「あ、ブラギンスキ!」
扉近くで寝ていたイヴァンが起きた。もう深夜3時前だ。若干とろんとした目でアルを見る。
「ヴァーニャでいいよ。」
「ヴァーネチカとも言うんだろう?聞いたことがあるぞ!」
その瞬間、イヴァンの周りの気温だけが摂氏マイナス14度になり、すぐ近くで寝ているスコット
が"ックチュ!"とくしゃみをした。意外と乙女な音だ。
「・・・君、一回歯茎から血出してみる?」
「No thanks なんだぞ!」
ロシア人の名前には愛称が二種類ある。ヴァーネチカ(イヴァン or イワン)、ミーチェニカ(ドミ
ートリイ)、イーラチカ(イリーナ)などの形はよっぽど親しい人__家族や恋人、大親友と小さな
子供にしか使わない。なので、そんなに親しくないロシア人をこの形の愛称で呼ぶと・・・相手が
女性ならともかく、男性なら身の安全は保障できないので軽々しく使わないのが賢明です。この場
合は"ヴァーニャ"と呼ぶべきですね。
「君、二度と僕を愛称で呼ばないでね?」
それすら駄目なほど怒らせてしまったようだ。
「言われなくてもそうするつもりさ。」
うん、まだ幼いがやっぱりアメリカ人とロシア人なのだな。空気が冷戦化してる。
と、イヴァンが何か語り出した。
「昔ね、ヴァーニャっていう子__僕とは別人だよ__がクリスマス(1月7日)の夜、遅くまで起き
てたんだ。そしたら、誰かが部屋に入って来てね・・・」
「・・・誰だったんだい?」
「黒い服を着たジェットマロース(ロシアのサンタさん)だったんだ。彼はそのジェットマロースに
袋に詰められて、どこかに連れて行かれたんだって。」
「どうせただの誘拐事件だろ?馬鹿馬鹿しい。」
「その子、今でも見つかってないんだ。当時5歳だったから、今大体15歳くらいかな・・・」
そこでニッコリ笑う。
「生きてたらね。」
「Nooooooooooo!!!」
「どうした!」
叫び声に逸早く反応したギルだが、アルが咄嗟に掴んで投げた写真立の角が額にクリーンヒット。
再びベッドに沈んだ。
「分かったら、早く寝なよ。」
「余計なお世話だ!」
巻き添え食らった普憫を一瞥もせず、アルはようやく布団を被った。
「人生、夜更かし一つで狂っちゃうことも、よくあるからね。」
誰かが呟いた。
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Freiheit@Ernst - お久しぶりです~第三弾楽しみにしてますね! (2014年8月17日 0時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - レリゴー!さん» 最近ヘタリアグッズ少ないですよねー。もちピンズ買いに行こうと思ったらなかったんですよ…。 (2014年8月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
レリゴー! - 大好きだなんて、そんな・・・恐れ入ります、すみません///最近、アニメイト行ってもヘタリアグッズ少なくて悲しい(涙)なので、ここで発散してるのですが、ぶっちゃけ誰得なんだろこれって思ってました(笑)なのでとても嬉しいです! (2014年8月9日 17時) (レス) id: 9c6a128fd2 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - はじめまして!カオリと言います。この作品大好きです!ハリポタもヘタリアってもう私得過ぎます!更新頑張って下さいね! (2014年8月7日 15時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
Freiheit - ギルくんだけでも(○_○)!!て感じなのにイヴァンさんも…だと!?あなたは私の脳をどうする気ですか!?どんどん出してください!!! (2014年7月30日 16時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レリゴー! | 作成日時:2014年6月20日 17時