魔法学園ヘタリア〜A riddle of Jones〜

Episode 21 ページ23

「ベッドだ〜〜〜！！！」

部屋に着くや否やベッドにダイブし、ギル撃沈。夢の世界へと旅立ってしまった。普段なら、"は

したないからお止めなさい！"と窘めるロディも何も言わない。すでにギルの後を追っているから

だ。

「マミー、ダディーはいつ帰って来るの？」

隈が痛々しいアルが訊く。マシューは最早気力の限界らしく、ベッドに靴を履いたまま横たわって

いる。まだ13歳なのに顔がやつれていた。

「ママも分からないわ・・・それより、ちゃんと寝なさい。疲れたでしょう？」

「眠れないんだ・・・・・・お話してよ。」

「ごめんねアル。ママ疲れたの。」

「うぅ・・・」

「なら、僕がお話してあげるよ。」

「No! 」

ぐずるアルにイヴァンが笑顔を向けて言ったが、一蹴される。それでも笑顔が崩れないのが何だか

怖い。そしてアーサーが何か呟いたが、アルが聞き返す前に潰れた。

結局、今起きているのはアルとイヴァン、ヘンリー、トーマスだけだ。

「なぁトミー(Thomas の愛称)、どうする？あいつと仲いいアーティーは寝ちまったし。」

「そうだね・・・ハリー(Henrry の愛称)が何か話してあげれば？」

「そういうのお前の方が得意だろ？」

「僕あの子苦手だから。Good night. Have a nice dream. 」

「You, too・・・っておいこら行くな！」

「Спакойной ночи. 」

「スパ？っておぉい！」

弟と客人に見捨てられたヘンリー・カークランド21歳。目の前には従弟のアルフレッド・F・ジョ

ーンズ13歳。

「よ、よぉアル。久しぶりだな。確かもう八年くらい会ってないんだっけ・・・」

ステップ１・取り敢えず声をかけてみましょう。

「大丈夫だ、叔父さんは絶対無実だ。安心しろ。な？」

ステップ２・慰めてみましょう。

「じゃあ、何か話してほしいこととかあるか？」

ステップ３・そして本題へ話題を変えましょう。

「君誰だい？」

結果・忘れられてた。

もう揚げ出し豆腐の角に頭ぶつけて死にたい、と切実に思ったヘンリー・カークランド21歳だっ

た。

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