Episode 19 ページ21
その後、一週間ニューヨークまで運転し続けたスコットはギルと交代し、後ろの席で爆睡してい
た。無理もない。北米兄弟は、青い顔で黙りこくったままヘレンに抱かれている。ヘレンや他の
面々はうとうとしたり、無理にでも眠ったりもしているがこの二人だけは一睡もしていない。
「ギル、海越えるけど大丈夫?」
助手席に乗ったAが尋ねる。当たり前だが、海上では休憩なんぞ出来るわけがない。下手をす
れば、アメリカ空軍やカナダ空軍の戦闘機と衝突しかねない。
言ってしまえば、ここからが本番だった。
「ったり前ぇだ。あのモヤシみたいなスコットが一週間いけたんだ。俺様なら二週間、いや、一ヶ
月はいけるな!ケーセセセセ!着いたら好きなだけ崇拝していいぜ!」
「分かった分かった。でもやっぱり、ダブリンあたりで一回休憩してからロンドンに行った方がい
いんじゃない?無理されて墜落したら水の泡だし。」
「ハッ!俺様はギルベルト・バイルシュミット様だぜ?プロイセン王族の血をひいている俺様の辞
書に不可能__はあるが、こんなのは入らねぇよ。」
ギルベルトの自信満々のドヤ顔__普段なら呆れるだけで終わるのだが、"この時ばかりは"頼もし
く思えた。
「心配してる暇あったら、ちょっとでも寝とけ。向こう着いたら魔法省の奴らといきなりガチン
コ、なんてことにもなるかもしれねぇぜ。」
「そうね・・・・・・何かあったらちゃんと起こしてね。」
「Ja. Gute Nacht. 」
「Gute Nacht. 」
そう言ってお互いの額にキスをする。只の挨拶__というより景気付けなので別にこれ以上は何も
しません。そして言うまでもないし言ってもどうにもならないが、この間アーサーとロディ
は"え?俺達空気?"みたいな顔をしていたし、エリザは愛用のメモに何か書き殴っていた。作者は
今若干呆れております。北米兄弟はそんなの全然耳に入らないし、ヘレンとスコットは寝ている。
「シートベルト着用したな?」
「おぉ。」
「酔い止め飲んだか?」
「はい。」
「忘れ物ないか?」
「えぇ。」
「水分補給したな?」
「いいから早く行けよ!細けぇなもう!」
「念を入れるに越したことはねぇだろうが?」
「入れ過ぎだよ!」
「やっぱりドイツ人ね、あんたも。」
「静かになさい!ヘレンさんを起こしてしまうでしょう!」
再びエンジンをかけ、出発する。
因みに、スコットは100km/時で走っていたが、ギルは倍のスピードである。
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Freiheit@Ernst - お久しぶりです~第三弾楽しみにしてますね! (2014年8月17日 0時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - レリゴー!さん» 最近ヘタリアグッズ少ないですよねー。もちピンズ買いに行こうと思ったらなかったんですよ…。 (2014年8月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
レリゴー! - 大好きだなんて、そんな・・・恐れ入ります、すみません///最近、アニメイト行ってもヘタリアグッズ少なくて悲しい(涙)なので、ここで発散してるのですが、ぶっちゃけ誰得なんだろこれって思ってました(笑)なのでとても嬉しいです! (2014年8月9日 17時) (レス) id: 9c6a128fd2 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - はじめまして!カオリと言います。この作品大好きです!ハリポタもヘタリアってもう私得過ぎます!更新頑張って下さいね! (2014年8月7日 15時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
Freiheit - ギルくんだけでも(○_○)!!て感じなのにイヴァンさんも…だと!?あなたは私の脳をどうする気ですか!?どんどん出してください!!! (2014年7月30日 16時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レリゴー! | 作成日時:2014年6月20日 17時