魔法学園ヘタリア〜A riddle of Jones〜

Episode 16 ページ18

その後も一時間ほど歌いまくり、そろそろ喉が限界になりかけたところでお会計。ロディの奢りな

のは言わずもがな。因みに、カードではなく現金だった。

「次はどこ行くんだ、アル？」

「次はだな、一旦家に帰って車でディズニーランドに行くんだぞ！DDDDD!」

ロスのディズニーランドにある城は、眠れる森の美女のお城である。日本のはシンデレラ城なの

で、若干違和感を感じるが楽しいことに変わりはない。

「いいよな、自分の国にあって。フランスだとやっぱ遠いもんな。」

「行ったことあるんですか貴方？」

しみじみと言うギルにロディが突っ込む。当たり前だ、とギルは笑っているが多分嘘だろう。手が

震えている。そもそもギルは、フランス語が話せないはずだ。そうアーサーがツッコみ、ギルが怒

り、ロディが文句を言う。そんな軽い三つ巴状態を何やら興奮した表情で眺めるエリザは一言。

「やっぱり原稿、ノマカプやめて腐にしようかしら？」

「Who? 誰か探してるのかい？」

「ねぇねぇ、no-ma-ca-pu ってハンガリー語？チェコ語？」

「どっちも日本語よ！それで"腐"っていうのはね！」

「意味は私もよく分からないからほっときましょ。」

と言いつつエリザに裏拳を食らわしてアルとマシューの耳を塞ぐA。これ以上この純粋な少年

達に邪そうなものを吹き込むわけにはいかないのだ。

「ママ！カラオケ楽しかったよ！」

「そうそう！良かったわねマシュー。皆！トイレに行ってワゴンに乗って頂戴！」

「ドゥルッフー！久しぶりのディズニーランドなんだぞ！」

「こら走り回るな！あと俺の時計返せ！」

「もう少し見せてくれよアーサー！」

腕時計を取り返す為にアルを追いかけるアーサーだが中々にすばしっこいアルを捕まえられない。

こいつシーカーに向いてるな、なんて思い始めたその時。

「ほ〜ら！捕まえたぞ二人とも！」

アレックスに揃って持ち上げられた。アルは嬉しそうだが、アーサーはショックだったようだ。そ

りゃ男なら、いくら細見でも軽々上げられたらショックだわな。一応言っておくが、別にアーサー

が軽すぎる訳ではない。アレックスはアルの父親なのだ。当然怪力である。

「アレックスも、じゃれてないで早く乗って！」

「分かったよヘレン。ほら、もう行くぞ。よいしょっと。」

「Yeeeeeaaaahhh!!」

こうして、ノリノリな一行を乗せてワゴンは出発したのだが。

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