Episode 10 ページ11
『___Attention,please.Ladies and gentlemen.』
「ん・・・もうそろそろか。」
アーサーは、キャビンアテンダントの声で目が覚めた。窓の外は明るい。飛行機の時計を見て、腕
時計の時間を合わせる。時刻は午後4時過ぎ。時差?そんなもの一々考える作者ではない。適当
だ。
「あいつらもう着いてんのかな。あ、電源切んねぇと。」
電源を切ったスマホの黒い画面に自分が映る。相変わらず、不機嫌そうな顔だ。そう、軽く自嘲し
てポケットに仕舞う。
妙な夢を見た。今はぼんやりとしか覚えてないが。
幼い頃、フランシスにからかわれて泣いたときのもの。それから、何故か出発前のスコットのにや
け面にAの白い脚。胸の谷間ではなかったのが残念とか、そんなこと彼は全く考えてない断じ
て。別に、ちょっとむらむらしたわけでもないんだからね!
「おはよ〜。エリザ達もう着いてるって。」
「そうか。意外と早いんだな。」
「アートずっと寝てたからだよ。私今眠たくなってきた。」
と伸びをするA。腕を斜め前に伸ばしたので谷間がよりくっきり表れる。夢では見れなかった
が生を見たのでひとまず良し、とアーサーは一瞬思った。ホントに一瞬だ。
このところ、やけに彼女を気にしていることを彼は自覚している。どこを気にしているかは別とし
て。それが何たるかも、薄らぼんやりとだが分かっているつもりだ。
しかし、どうしても兄や両親の顔が浮かぶ。幾度となく喧嘩を繰り返しているのにどこかで彼等の
目を気にしている自分に気づき、暗い自己嫌悪に苛まれる。
「アート、降りるよ。向こうの三人、アル君とマシュー君に合流したって。」
「おぉ。」
「ねぇアート。」
「何だよ。」
「アートは"アーサー"であって、"アーサー・カークランド"とは私達思ってないからね。」
「は?どういう意味だよ?俺のフルネームはアーサー・カークランドだぜ。」
「戸籍と理屈上はね。でも私達は__ギル、ロディ、エリザ、フランシスさん、アントーニョさ
ん、お祖父ちゃん、アル君、マシュー君、菊校長、王先生、私はどこへ行っても"アーサー"は"ア
ーサー"だって思ってる。忘れないで。」
さ、行こ。と腕を引っ張られ立ち上がる。暫く考えていたが、結局よく分からず終いだった。
だが、どこか軽くなったような気がして、歩みを速めた。
9人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヘタリア」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Freiheit@Ernst - お久しぶりです~第三弾楽しみにしてますね! (2014年8月17日 0時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - レリゴー!さん» 最近ヘタリアグッズ少ないですよねー。もちピンズ買いに行こうと思ったらなかったんですよ…。 (2014年8月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
レリゴー! - 大好きだなんて、そんな・・・恐れ入ります、すみません///最近、アニメイト行ってもヘタリアグッズ少なくて悲しい(涙)なので、ここで発散してるのですが、ぶっちゃけ誰得なんだろこれって思ってました(笑)なのでとても嬉しいです! (2014年8月9日 17時) (レス) id: 9c6a128fd2 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - はじめまして!カオリと言います。この作品大好きです!ハリポタもヘタリアってもう私得過ぎます!更新頑張って下さいね! (2014年8月7日 15時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
Freiheit - ギルくんだけでも(○_○)!!て感じなのにイヴァンさんも…だと!?あなたは私の脳をどうする気ですか!?どんどん出してください!!! (2014年7月30日 16時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レリゴー! | 作成日時:2014年6月20日 17時