片恋電車２ *｡◯Sho.S*｡◯

｡◯35話*｡◯ ページ5

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き、綺麗な顔がお近くで拝見できるのは光栄ですが

そろそろ離れないと、坂田さん帰って来てしまうんじゃ…



人懐っこいらしい二宮さんに

内心ハラハラしながら、注意をする。





A「二宮さん、もうちょっと離れた方が…」






けれど、その声は






翔「Aさん」






翔さんの声によって、遮られた。





A「翔、さん…」

翔「チケット買えたよ。…そちらは？」

和也「…んふふ」





意味深に含み笑いをする二宮さんに

翔さんが少し顔を歪ませるのがわかった。



珍しかった。

翔さんが、そんな顔をするなんて。





和也「…久しぶりですね」

翔「え？」

和也「俺ですよ、俺」

翔「…もしかして、ニノ？」





やっと気づいた？なんて言って

ふふんっと笑う二宮さん。



翔さんはただただ驚いた表情をしていて。

本当に二人は知り合いなんだ…と密かにこっちも驚く。





翔「久しぶりじゃん。卒業式以来？」

和也「そっすね。俺が同窓会行かないから」

翔「そだね。…Aさんと知り合いなんだ？」

和也「え？あぁ…」





そこまで言って、私の方をチラッと見た二宮さんと視線がぶつかって

ふっと意味深に二宮さんが笑う。





和也「…まぁ、ちょっとね」





ちょっと…って。

一度会っただけだし間違ってはいないけど。



ね？と言われて、思わず頷くと

翔さんは表情を変えず、ふぅん…と言った。



…予想はついてたけど，全く気にしていないようで。

あぁ、やっぱりなって思う。





和也「…怖いよ，翔さん(笑)」

翔「ん？何が？」

和也「いやいや，とぼけないでくださいよ(笑)」

A「？」

和也「安心して？俺は…」

坂田「お待たせしました…って，あれ？」





二宮さんが何かを言いかけたところで

お手洗いから帰ってきた坂田さんが駆けつけて，みんなの視線が一気にそっちに移る。



坂田さんは私の姿を見て，あって声をかけてくれた。

その顔はちょっと，泣いた後みたい。






坂田「篠田ちゃん！偶然だね」

A「うん」

和也「こいつ、映画見て号泣してんの」

坂田「ちょ，言わないでくださいよ！」

和也「最近涙もろくなっちゃって。年だね？」

坂田「うるさい」






いつものように夫婦漫才もどきを繰り広げる二人を

翔さんは静かに見ていたようで。



すると，二宮さんがそんな翔さんの方を振り返って

にやって笑って






和也「こういうことだから。ね？」






って言った。

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