片恋電車２ *｡◯Sho.S*｡◯

｡◯34話*｡◯ ページ4

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待ちに待った

約束の、金曜日。




翔「お待たせ」




スーツ姿で駆け寄って来た翔さんは

いつも通り爽やかでかっこいい。



今日もお仕事、バリバリやってきたんだろうな。

お疲れ様です。





翔「じゃ、行こっか」

A「はい」





歩き出した翔さんの後ろを歩きながら

緩む頬を抑えるのに必死な私。



あぁ、もう幸せだなぁ、なんて思っていると

翔さんが振り返って口を開いた。





翔「映画なんて久しぶりかも」

A「あんまり観ないんですか？」

翔「観たいのありゃ観るけどね？最近は全然行けてなかったから。Aさんは結構観んの？」

A「そうですね、映画館の雰囲気好きなので」

翔「あー、わかる」





相変わらず翔さんと話していると

気まずさというものを感じない。



世間話をして歩いているうちに

あっという間に映画館についてしまう。





翔「待ってて、チケット買ってくる」

A「え！？いや、私が行きますよ！」

翔「いいから。すぐ戻るし」






ね？と言って、翔さんはチケットを買いに列に並びにいって

申し訳ないと思いつつ、お言葉に甘えて座って待つことに。



あとでちゃんとお金、返さないと。

そう思いながら、財布の中身を確認していた時





「あれ？篠田ちゃん？」





頭の方から声が降りかかってきて

聞き覚えのあるその声に、顔を上げると






A「あっ！二宮さん！」

和也「偶然ですね」






スーツ姿でそこに佇む二宮さんがいた。



最後に見たのが部屋着だったから

そのギャップに少しドキッとする。



格好からお察しすると…





A「仕事帰りに、坂田さんとデートですか？」

和也「そ。よくわかったね」

A「坂田さんは？」

和也「あいつは、お手洗いですね」





そう言いながら、私の隣に

よっこらしょ、と腰をかける。



二宮さんの横顔、鼻のラインがとても綺麗。

なんて、あまり見てたら坂田さんに怒られるかな。





和也「篠田ちゃんは？誰かと来てるの？」

A「あー…えっと…」

和也「…ぁ。」





答えに困っていると、私の後ろの方を見て

小さく声を漏らす二宮さん。



はてなを浮かべていると

二宮さんが急に顔を寄せる。





和也「…翔さんと？」ﾎﾞｿｯ





急に核心をついて、その名前を出すもんだから

顔がボッと熱くなるのがわかった。



照れながらも頷くと

二宮さんが近距離で満足そうに微笑む。

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