片恋電車２ *｡◯Sho.S*｡◯

｡◯53話*｡◯ ページ23

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二宮さんは、お目当の品も無事買えたようで

ビニール袋をガサガサ振って、上機嫌。




和也「篠田ちゃん、もう帰んの？」

A「はい」

和也「じゃ、途中まで一緒に帰ろ」

A「えっ」




いいのかなって思わず声を上げると

二宮さんが首を傾げて私を見る。




和也「何？」

A「い、いいんですか？」

和也「方向一緒なのに、別々に帰る方がおかしいでしょ」

A「そうですけど…」

和也「…あー、あいつなら大丈夫。馬鹿だしヤキモチ妬きだけど、俺のこと信じてっから」




そう言ってドヤ顔をする二宮さん。

…杞憂でしたか。本当に素敵なカップル。



歩き出した猫背姿の彼の後ろを追って帰路を2人で歩き出すと

二宮さんが、そういや…と口を開く。





和也「最近どうですか？」

A「？」

和也「翔さんと」

A「えっ！//」





突然現れたそのワードに

びっくりして思わず動揺。


そんな私を見て、お？と少し楽しそうな二宮さん。





和也「なによ」

A「いや…昨日の今日すぎて…」

和也「ふぅん？昨日何かあったんだ？」ﾆﾔｯ





口角をいやらしく上げる彼は

多分尻尾があったらブンブン振ってるだろう。



二宮さんは、ジワジワと白状させるスタイルの聞き方。

でもちゃんと聞いてくれるから、話してしまう。



二宮さんになら、いいかな？





A「…二宮さんは、好きでもない人にキスできますか？」

和也「…え、マジ？」

A「…」ｺｸﾝｯ





私が小さく頷いたのを確認すると

う〜ん、といいながら鼻を擦る。


今ので、昨日のことも大体察してくれたみたいだった。




和也「…俺の場合はよ？俺の場合は、正直できる」

A「えっ…」

和也「勿論、今はしないけどね？(笑)まぁ、男は正直…ね」

A「そうなん…ですね」





やっぱり

昨日のは、お酒の勢いで

深い意味はないってことかな…。



1人でそんなことを考えていると

二宮さんの可愛い手が伸びてきて、肩にポンッと置かれた。





和也「ま、大丈夫ですよ。俺は確信してる」

A「え？何がですか？」

和也「映画館の一件でね、確信した。あとは貴方次第ですよ」

A「え？え？」

和也「じゃあ俺こっちだから。またね」





意味深な言葉を残したまま

二宮さんは手をプラプラ振りながら去って行ってしまった。




何を言っているのか、よくわからなかったけど



二宮さんによると

どうやら私は大丈夫らしい。

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