片恋電車２ *｡◯Sho.S*｡◯

｡◯49話*｡◯ ページ19

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やばって思って振り返ると

翔さんの目線が、私の手元に移って




翔「…あー…」

A「す、すみません、私勝手に…」




きまりが悪そうに私の方に歩いてくる。



髪をガシガシかきながら私の前に立つ翔さんは

私の手の中の写真をとって、もう一度眺める。




翔「見たな？(笑)」

A「すみません…」

翔「いいよ。全然違うでしょ、俺」

A「…はい。びっくりしました」

翔「だよね。これ、大学の友達」




眺めながら、静かに微笑んで

懐かしそうな顔をする翔さん。


最近会えてないけどね、って

少し寂しそうに言う。




翔「ちょっとヤンチャだったなーこの時」

A「そうなんですね」

翔「今はみんな真面目に働いてますよ？」

A「はい(笑)…あれ？でも」

翔「ん？」





翔さんが写真を持ったままテーブルの方に戻るから

その後をついていきながら疑問を口にする。


翔さん、ヤンチャって言ってるけど…




A「高校の時は、生徒会長だったんですよね？」

翔「え？なんでそれ知ってんの？」

A「二宮さんに聞きました」

翔「…あいつめ〜」

A「あ…聞いちゃダメでした？」

翔「いや、いいけどね別に(笑)」




ハハッて笑って

また一口、ビールを口にする翔さん。




翔「俺の親さ、教師だからすげー真面目に育てられて。言いつけ全部守って、俺超いい子だったの」

A「…」

翔「そんで先生からの信頼とかも得て、生徒会長も成り行きでやったんだけどさ。

高校3ぐらいからかな？俺こんなんでいいのかなーって思い始めて反抗するようになってね」

A「…」

翔「大学の弾け具合ったらなかったね(笑)」




まぁ最終的に落ち着いて、これです。

ってこっちを向いて笑う翔さん。


前松本さんが言いかけてた大学のことって

この事だったのかな…？




A「…翔さんも色々あったんですね」

翔「そりゃーね(笑)」




でもやっぱり、翔さんは真面目な人だと思う。

知らない面を知れて嬉しいってだけで

翔さんを見る目は、変わらないから。




A「あの…ひとつだけいいですか？」

翔「なんでしょう」

A「この、おへその光ってるのは何ですか？」

翔「あぁー…聞いちゃう？(苦笑)」




分かりやすく苦笑いする翔さんにはてなを浮かべていると

若気の至りってやつでね…と口を開く。




翔「これね…へそピアス」

A「…えぇ！？」





これはこの日の

一番の衝撃だった。

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